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Ⅰ.疫学・病理
総論
Ⅱ.診断
総論
No. |
クリニカルクエスチョン |
Answer |
エビデンスの確実性 |
CQ1 |
膀胱癌の診断に腫瘍可視化技術(photodynamic diagnosis:PDD,narrow band imaging:NBI)は推奨されるか? |
膀胱癌の診断において,腫瘍可視化技術を用いることは,癌検出感度が改善されることから推奨される(PDD:推奨の強さ1)。 |
A |
膀胱癌の診断において,腫瘍可視化技術を用いることは,癌検出感度が改善されることから推奨される(NBI:推奨の強さ1)。 |
B |
CQ2 |
膀胱癌の局所病期診断にマルチパラメトリックMRI は推奨されるか? |
膀胱癌の筋層浸潤が疑われる場合は,拡散強調画像を含むマルチパラメトリック(mp)-MRI や超高磁場(3T)MRI 等の活用により,筋層浸潤の診断精度が向上することから推奨される(推奨の強さ1)。 |
A |
Ⅲ.筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の治療
総論
No. |
クリニカルクエスチョン |
Answer |
エビデンスの確実性 |
CQ3 |
筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)に対して2nd TUR は推奨されるか? |
T1 high grade や初回TURBT で筋層が採取されていないTa high grade の場合,2nd TUR を行うことが推奨される(推奨の強さ1)。 |
C |
筋層が採取されているTa high grade に対しても,2nd TUR は予後を改善させる可能性があるので,考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ4 |
筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の治療の際にPDD やNBI は推奨されるか? |
PDD は膀胱再発率の低下につながることから推奨される(推奨の強さ1)。 |
A |
NBI は癌検出率を改善させるが,膀胱再発率の低下につながるかは未確定である(推奨の強さ2)。 |
B |
CQ5 |
低リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)に対して抗癌剤即時単回注入は推奨されるか? |
低リスクNMIBC に対して抗癌剤即時単回注入を行うことが推奨される(推奨の強さ1)。 |
A |
CQ6 |
中リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)に対して抗癌剤単回注入療法後の維持注入は,単回注入単独と比べて推奨されるか? |
中リスクNMIBC に対しては,抗癌剤維持療法を追加することが推奨される(推奨の強さ1)。 |
A |
CQ7 |
中・高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)に対してBCG 導入療法と比較してBCG 維持療法は推奨されるか? |
中・高リスクNMIBC に対するBCG 維持療法は,再発予防効果の点から推奨される(推奨の強さ2)。 |
B |
CQ8 |
中・高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)に対して低用量BCG 膀胱内注入療法は推奨されるか? |
通常量BCG 膀胱内注入療法の副作用が問題となる患者,身体リスクの高い患者,中リスクNMIBC に対しては,低用量BCG 膀胱内注入療法が選択肢の1 つとして推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ9 |
BCG 膀胱内注入療法後に腫瘍残存を認める症例や膀胱内再発をきたす症例に対して,BCG 膀胱内注入療法の再導入は推奨されるか? |
BCG unresponsive には膀胱全摘除術を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
B |
1 年以降のBCG relapsing にはBCG 膀胱内注入療法再導入は選択肢の1 つとして推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ10 |
超高リスク症例に対して即時膀胱全摘除術は推奨されるか? |
超高リスク症例では進展リスクが高く,即時膀胱全摘除術を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
Ⅳ.上皮内癌(CIS)の治療
No. |
クリニカルクエスチョン |
Answer |
エビデンスの確実性 |
CQ11 |
前立腺部尿道における上皮内癌(CIS)に対してBCG 膀胱内注入療法は推奨されるか? |
前立腺部CIS 症例のうち前立腺部尿道原発,あるいは併発する膀胱癌がTa 以下の筋層非浸潤性癌である場合,前立腺部尿道の十分な経尿道的切除後にBCG 膀胱内注入療法を行うことが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
併発する膀胱癌がT1 high grade の場合は膀胱全摘除術を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ12 |
上皮内癌(CIS)症例に対するBCG 導入療法でCIS が残存する場合,BCG 再導入療法は推奨されるか? |
CIS 症例に対する初回BCG 導入療法でCIS が残存する場合,BCG 再導入療法が推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
ただし,BCG 再導入後の初回注入から6 ヵ月時点でも残存する症例は,膀胱全摘除術を考慮する(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ13 |
BCG 膀胱内注入療法後に再発した上皮内癌(CIS)症例に対して膀胱全摘除術は推奨されるか? |
CIS 症例に対する1 〜2 コースのBCG 膀胱内注入療法後にhigh grade 腫瘍が再発した場合,膀胱全摘除術を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
Ⅴ.Stage Ⅱ,Stage Ⅲ 膀胱癌の治療
総論
No. |
クリニカルクエスチョン |
Answer |
エビデンスの確実性 |
CQ14 |
膀胱全摘除術における尿道摘除は推奨されるか? |
新膀胱造設を考慮しない膀胱全摘除術の場合,尿道摘除を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
また,新膀胱造設による尿道温存を行う場合,不利益が生じる危険性を説明して行うことが推奨される(推奨の強さ1)。 |
C |
CQ15 |
膀胱全摘除術において神経温存手術は推奨されるか? |
神経温存手術の適応基準はなく,選択された症例に対して行うことが推奨される(推奨の強さ2)。 |
D |
CQ16 |
女性の膀胱全摘除術において婦人科臓器温存手術は推奨されるか? |
T2 以下で,膀胱頸部や尿道に腫瘍を認めない場合,婦人科臓器温存手術を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ17 |
腹腔鏡下/ ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術は推奨されるか? |
腹腔鏡下/ ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術は開放膀胱全摘除術よりも低侵襲で,同等の制癌効果が報告されており,考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
B |
CQ18 |
筋層浸潤性膀胱癌(MIBC)に対して膀胱温存集学的治療は推奨されるか? |
選択された症例に対する治療として考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
Ⅵ.Stage Ⅳ 膀胱癌の治療
総論
No. |
クリニカルクエスチョン |
Answer |
エビデンスの確実性 |
CQ19 |
局所進展例または骨盤内リンパ節転移を有する症例に対して膀胱全摘除術は推奨されるか? |
化学療法が有効であった症例には膀胱全摘除術を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ20 |
転移を有する膀胱癌に対する転移巣切除は推奨されるか? |
全身状態が良好な症例,病巣が単発で完全切除が可能な症例,化学療法が有効であった症例,病勢の進行が急速ではない症例等で転移巣切除を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ21 |
切除不能または転移を有する症例の一次治療としてGC 療法は推奨されるか? |
切除不能または転移を有する症例の一次治療として,GC 療法を行うことが推奨される(推奨の強さ1)。 |
A |
CQ22 |
腎機能障害を伴う切除不能または有転移症例に対するGCarbo 療法は推奨されるか? |
腎機能障害以外の予後不良因子がない症例にはGCarbo 療法を考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
B |
CQ23 |
一次抗癌化学療法後に再発または進行した局所進行性または転移性膀胱癌に対するペムブロリズマブ使用は推奨されるか? |
一次治療のプラチナ製剤併用化学療法後に再発または進行した,あるいはプラチナ製剤併用化学療法による術前もしくは術後補助化学療法の治療終了後12 ヵ月以内に再発または転移した膀胱癌に対して,ぺムブロリズマブを使用することが推奨される(推奨の強さ1)。 |
A |
CQ24 |
局所進行性あるいは転移性の膀胱癌に対する緩和目的の放射線外照射療法は推奨されるか? |
局所進行性膀胱癌に起因する局所症状の軽減および遠隔転移に起因する症状緩和目的で放射線外照射療法を行うことが推奨される(推奨の強さ1)。 |
B |
追加CQ |
根治切除不能または転移を有する症例における一次抗癌化学療法後の維持療法としてアベルマブ使用は推奨されるか? |
一次抗癌化学療法後の病勢進行を認めない根治切除不能または転移を有する症例に対して, アベルマブ維持療法を行うことが推奨される(推奨の強さ1)。 |
A |
Ⅶ.膀胱癌の経過観察
総論
No. |
クリニカルクエスチョン |
Answer |
エビデンスの確実性 |
CQ25 |
筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の患者にリスク分類に沿った経過観察は推奨されるか? |
初回治療後3 ヵ月目に膀胱鏡検査を行い,その後はリスク分類に基づいた経過観察が推奨される(推奨の強さ1)。 |
C |
CQ26 |
筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の患者の経過観察において尿中分子マーカーや腫瘍可視化技術の使用は推奨されるか? |
再発高リスクの症例では膀胱鏡と尿細胞診による従来の経過観察に加えて,尿中分子マーカーやNBI は選択された症例に対して考慮することが推奨される(推奨の強さ2)。 |
C |
CQ27 |
筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)ならびに膀胱全摘除術後の経過観察において,上部尿路の評価は推奨されるか? |
上部尿路の評価を行い,無症候性再発を早期発見することは推奨される(推奨の強さ2)。ただし,現時点で明確な上部尿路経過観察プロトコールは確立されていない。 |
C |
CQ28 |
膀胱全摘除術後は摘出病理組織所見や再発リスクに沿った経過観察が推奨されるか? |
再発リスクに沿った経過観察を行うことが推奨される(推奨の強さ2)。ただし,現時点で摘出病理組織所見や再発リスクに沿った明確な経過観察プロトコールは確立されていない。 |
C |
Ⅷ.希少がん
尿路上皮癌亜型および特殊型総論
尿道癌総論
尿膜管癌総論