1 ガイドラインサマリー
各ガイドライン参照。
2 診療アルゴリズム
各ガイドライン参照。
3 作成組織・作成経過
1.作成主体
1)作成主体
- 編集:
- 特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会
- 監修:
- 一般社団法人 日本脳神経外科学会
- 協力学会:
- 一般社団法人 日本小児神経外科学会
一般社団法人 日本小児血液・がん学会
公益社団法人 日本放射線腫瘍学会
公益社団法人 日本臨床腫瘍学会
日本結節性硬化症学会
本ガイドライン作成にあたっては,特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会 脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会がガイドライン統括委員会としての役割を果たしている。脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会の構成委員は別途記載する。
2.作成経過
1)作成方針
各ガイドライン参照。
2)使用上の注意
基本的に小児の脳腫瘍を診療する医師を対象とするガイドラインであるが,想定される利用の対象は,小児の脳腫瘍を診療する医療施設のスタッフ,患者・家族を含む。
また,本ガイドラインは個々の臨床家の裁量権を制限するものではなく,あくまで一般的な考え方を示しているのであり,医療訴訟等に用いられることなどは意図していない。使用に際して医療者はそれぞれの患者さんやご家族の状況,医療機関・医療従事者の立場,社会規範などを包括的に勘案し,柔軟に対応していただきたい。
3)利益相反
日本脳腫瘍学会 脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会 委員・協力委員,並びに各診療ガイドライン システマティックレビュー委員は,日本脳腫瘍学会COI 委員会細則に基づき,利益相反の自己申告を行っている。利益相反の自己申告は日本脳腫瘍学会COI 委員会により審議され,すべての委員・協力委員・システマティックレビュー委員の適格性に関しては,学術的あるいは経済的に問題のないことが確認されている。
なお,委員・協力委員・システマティックレビュー委員のCOI 詳細は,特定非営利活動法人日本脳腫瘍学会ホームページ 脳腫瘍診療ガイドラインに掲載している(脳腫瘍診療ガイドラインCOI 開示 https://www.jsn-o.com/guideline2021/coi.html)。
4)作成資金
本ガイドライン作成に要した資金は,
厚生労働省がん対策総合推進事業「希少疾患ガイドラインの作成を通した医療提供体制の質向上」班(班長:小寺泰弘)
厚生労働省がん対策総合推進事業「学会連携を通じた希少癌の適切な医療の質向上と次世代を担う希少がん領域の人材育成に資する硏究」班(班長:小寺泰弘)
より捻出し,他の資金提供等は一切ない。
5)組織編制
各ガイドライン参照。
6)作成過程
本ガイドラインの作成は「Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014」に従って行った。作成過程はそれぞれのガイドラインにおいて相違があり,各ガイドラインの作成過程を参照されたい。
推奨の決定は,各ガイドライン作成ワーキンググループの審議に基づく。推奨の決定には,エビデンスの評価と統合で求められた「エビデンスの強さ」「益と害のバランス」の他,「患者の価値観の多様性」「経済学的な観点」等も考慮して,推奨とその強さを決定した。推奨の強さの決定方法は,GRADE grid に準じて,各ガイドライン作成ワーキンググループの委員70%以上の同意が集約された場合に決定とした。さらにこの結果を統括委員会(脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会)に諮り,出席者の70%以上の同意をもって,了承とした。
外部評価を実施し,結果を最終版に反映させた。外部評価は,患者団体にも評価を依頼し,患者・家族の希望や価値観が反映されるように配慮した(外部評価を求めた団体・委員参照)。具体的には,外部評価委員・機関・団体が個別にコメントを提出し,ガイドライン作成ワーキンググループは各コメントに対して診療ガイドラインを変更する必要性を討議して,対応を決定した。
外部評価への対応終了後,脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会が公開の最終決定をした。
7)推奨の強さの提示方法・エビデンスレベル・推奨度(臨床的意義)について
(1)推奨の強さの提示方法について
「Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014」に従い,エビデンスの強さに推奨の強さを併記し,推奨度を記載した。
(2)推奨度(臨床的意義)の決定
各CQ に関する推奨度(臨床的意義)はシステマティックレビューの結果に基づいたエビデンス総体に対する総括と推奨の強さによって行った。小児脳腫瘍編における対症疾患はすべて発症頻度が低い稀少疾患であり,単施設の総括的報告,コホート研究,後方視的分析がレビューの中心で,前方視的・ランダム化比較研究は少数であった。そのためエビデンス総体の作成は主に観察研究の評価シートを用いて行うこととなった。推奨度に関してはガイドライン作成ワーキンググループ内の委員で討論会を行い,決定した結果を統括委員会である脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会に提出,承認を受けている。エビデンスレベル,推奨の強さ,推奨度(臨床的意義)については,日本緩和医療学会「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2020 年版」の諸表を参照した。
(https://www.jspm.ne.jp/files/guideline/pain_2020/01_04.pdf)
8)外部評価を求めた団体・委員
9)WHO 脳腫瘍分類第5 版(WHO2021)の取り扱い
WHO脳腫瘍分類第5版(WHO2021)が2021年12月末International Agency for Research on Cancer のホームページよりweb 版としてダウンロード可能となり,2022 年の年初より出版物が本邦において入手可能となった。その内容の概略は,2019 年から2020 年にBrain Pathology 誌にcIMPACT-NOW(the Consortium to Inform Molecular and Practical Approaches to CNS Tumor Taxonomy)up-date としてまとめられている。しかしながら,小児脳腫瘍編のすべてのガイドラインはそのシステマティックレビュー時期がこれらの論文よりも以前であるため,本ガイドラインはWHO 脳腫瘍分類第4 版(WHO2016)に準拠していることをお断りする。
WHO2021 は,遺伝子変異やDNA メチル化の解析をふんだんに用いて脳腫瘍の生物学的特徴を追求した分類であるが,日本の日常診療の現場でこれを実践するにはやや課題が多いと思われる。次期あるいは次々期改訂でのWHO2021 に基づく臨床課題を一つでも多く設定したいと考えている。
3.公開後の取り組み
1)公開後の組織体制
脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会ならびに各ガイドライン作成ワーキンググループは,診療ガイドライン公開後も活動を継続し,診療ガイドラインの導入促進,有効性評価,診療ガイドラインの推奨に影響を及ぼす新たな研究の出現チェックなどを行う。システマティックレビュー委員は解散する。
2)導入・普及
ガイドラインの活用を促進するために,「電子版」をもとに「冊子版」を準備する。簡易版と一般向けを準備する予定は今のところないが,活用状況に応じて将来的に検討する余地はある。公開方法は,電子版は特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会ホームページで公開,冊子版は書籍として発売を予定している。
ガイドラインで扱うすべての診療内容は保険診療で承認されている医療行為であり,小児脳腫瘍の中の多くの腫瘍型は小児慢性特定疾患に認定されている。また,上衣下巨細胞性星細胞腫のほとんどは難病指定となっている結節性硬化症の部分症状として発生することを明記しておく。導入・普及を阻害する要因としては,小児脳腫瘍が希少疾患であるために,経験を積み重ねた専門性の高い医師が少ないという点が考えられる。また,発生頻度が低いため,国内患者のみを対象にしたエビデンスに乏しく,社会保障体制の相違により海外のエビデンスは,国内の臨床行為に外挿できないことも多々ある。そのため,本ガイドラインでは適応外使用薬剤,未承認薬剤,適応疾患の相違については,各CQ の解説文の最後にその旨を記した。
3)有効性評価
診療ガイドラインの有効性を評価するために,診療ガイドラインの導入によって患者アウトカムが改善したかどうかを,小児脳腫瘍患者の診療件数の多い施設にアンケートを依頼する予定である。また,クオリティーインディケータ(quality indicator:QI)を用いての評価法も導入を検討する。
4)改訂
本ガイドラインは,作成時点におけるエビデンス,価値観,社会環境に基づいて作成されているが,新しいエビデンスの登場や医療を取り巻く社会情勢の推移によって,推奨の内容も変化しうると予想される。そこで,改訂が必要となってくるが,改定までの期間や方法は,今後の状況変化に応じて,脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会で検討し決定する予定である。なお,小児脳腫瘍に対する診断法に関しては,今後遺伝子解析に基づいた腫瘍分類が主体となる可能性もあり,また,革新的な治療法の登場も想定される可能性が有り,できる限り遅滞なくガイドラインに反映できるよう努める必要があると考えている。
4.脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会(ガイドライン統括委員会)構成委員
5.日本脳腫瘍学会 脳腫瘍診療ガイドライン作成事務局
三島 一彦
埼玉医科大学国際医療センター脳脊髄腫瘍科/脳神経外科
〒350-1298 埼玉県日高市山根1397-1
埼玉医科大学国際医療センター内 教員研究棟5 階
特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会事務局
TEL/FAX:042-984-4699
5 スコープ
各ガイドライン参照。
6 推奨
各ガイドライン参照。