CQ 及び推奨一覧

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1.画像診断
CQ1.GIST の確定診断に有効な画像検査は何か。
 

CT が確定診断に有効という証拠はないが,現在用いられている画像診断の中では存在診断・病期診断に最も有効と考える(特に3 次元データを取得できるMDCT)。<推奨度:グレードC1>

 

GIST の質的診断(確定診断)には小さなGIST に対しても超音波内視鏡ガイド下穿刺生検が有効であるが,現時点では施行できる施設の数は限られる。<推奨度:グレードC1>

CQ2.イマチニブのGIST 治療効果判定に有効な画像検査は何か。
 

CT が治療効果判定に有効という証拠はないが,現在用いられている画像診断の中では最も有効と考える。ただし大きさの変化のみでは判定が難しく,治療前後のCT 値の変化を考慮した診断基準が提唱されている。<推奨度:グレードC1>

 

18F-FDG-PET による治療効果判定は,症例によっては鋭敏であるが,2012 年10 月現在,わが国では治療効果判定目的の保険適用は認められていない。<推奨度:グレードC2>

CQ3.イマチニブによるGIST 治療の早期治療効果判定にどのようなものが有効か。
 

早期治療効果判定にCT,18F-FDG─PET などを用いた手法が試みられているが,有効という証拠はない。<推奨度:グレードC2>

2.病理診断
CQ1.GISTはHE染色のみで診断できるか。
 

可能な場合が多いが,KIT を含めた免疫組織化学を行って確認をすべきである。

CQ2.GIST の診断にKIT 免疫染色は有効か。
 

有効である。

CQ3.GIST 以外の腫瘍にKIT の発現はみられるか。
 

頻度は低いが,さまざまな腫瘍でKIT陽性となることが報告されている。

CQ4.KIT の陽性像が一部,もしくは弱くしかみられない場合の診断はどうするか。
 

原則としてGIST と診断する。

CQ5.KIT 陰性のGIST(KIT, CD34, desmin, S-100 蛋白がすべて陰性のGIST を含む)の診断はいかにすべきか。
 

KIT 陰性のGIST の診断は,GIST 病理診断の専門家へのコンサルトやc-kit, PDGFRA 遺伝子検索などを通して慎重になされることが推奨される。

CQ6.GIST は臓器別に頻度や生物学的特徴に違いはあるか。
 

GIST は部位による頻度や生物学的特徴に違いが報告されている。

CQ7.KIT 免疫染色とc-kit 遺伝子異常との関係は?
 

KIT 免疫染色の程度とc-kit 遺伝子異常の有無には基本的には関係がない。

CQ8.GIST の組織学的悪性度診断はいかに行なうか。
 

GIST の再発リスクを推定する基準として,腫瘍径と組織標本上の単位視野当たりの核分裂像数を組み合わせたリスク分類が行われており,腫瘍径・核分裂像数とともに腫瘍発生部位や腫瘍被膜破裂も考慮に入れた分類も用いられている。

CQ9.生検でGIST の診断・悪性度診断ができるか。
 

可能な場合がある。

CQ10.KIT 陰性GIST の診断にc-kit 遺伝子変異の検索は有効か。
 

KIT 陰性GIST の診断にc-kit 遺伝子変異の検索が有用なことがある。

CQ11.イマチニブ治療効果予測にc-kit 遺伝子変異の検索は有効か。
 

c-kit 遺伝子変異部位とイマチニブの効果には関連があることが報告されている。

CQ12.イマチニブ治療効果予測にPDGFRA 遺伝子変異の検索は有効か。
 

PDGFRA 遺伝子変異部位とイマチニブの効果には関連があることが報告されている。

3.外科治療
CQ1.2cm 未満の胃粘膜下腫瘍は経過観察にしてよいか。
 

2cm 未満で無症状,臨床的悪性所見(−)の胃粘膜下腫瘍は経過観察にしてよい。<推奨度:グレードC1>

CQ2.2cm 未満の胃粘膜下腫瘍の経過観察期間と方法はどのようにすべきか。
 

経過観察期間は年1〜2 回の内視鏡検査±超音波内視鏡検査とする。<推奨度:グレードC1>

CQ3.2cm 以上,5cm 以下の胃粘膜下腫瘍は切除すべきか。
 

臨床症状のある場合と臨床的悪性所見のある場合は外科切除すべきである。<推奨度:グレードC1>

CQ4.2cm 以上,5cm 以下の胃粘膜下腫瘍切除における腹腔鏡(補助)下手術は適応か。
 

2〜5cm の胃粘膜下腫瘍は,慣れた外科医が行えば腹腔鏡(補助)下手術は適応である。<推奨度:グレードC1>

CQ5.5.1cm 以上の胃粘膜下腫瘍は切除すべきか。
 

切除すべきである。<推奨度:グレードC1>

CQ6.5.1cm 以上の胃粘膜下腫瘍切除における腹腔鏡(補助)下手術は適応か。
 

5.1cm 以上の胃粘膜下腫瘍切除に対し,腹腔鏡(補助)下手術の適応は,専門病院のがんの集学的診断治療チームにより個々に決定されるべきである。<推奨度:グレードC2>

CQ7.GIST に対する胃切除術(全摘,幽門側切除,噴門側切除)は必要か。
 

部分切除で不十分の場合,幽門側切除,噴門側切除または全摘を行う。<推奨度:グレードC1>

CQ8.GIST に対する系統的リンパ節郭清は有効か。
 

系統的リンパ節郭清の臨床的意義は確認されていない。<推奨度:グレードC2>

CQ9.高度局所進行GIST の姑息切除は有効か。
 

姑息切除の臨床的意義は認められていない。<推奨度:グレードC2>

CQ10.GIST の肝転移巣切除は有効か。
 

外科切除のみでは根治は望めない。<推奨度:グレードC2>

CQ11.播種病変を伴う初発GIST の外科治療は有効か。
 

外科手術単独では有効とはいえない。<推奨度:グレードC2>

CQ12.GIST の肝転移巣に対するラジオ波焼灼療法は有効か。
 

ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation: RFA)による安全性,有効性は確認されていない。<推奨度:グレードC2>

CQ13.肝転移以外の遠隔転移を有するGIST の姑息切除は有効か。
 

遠隔転移を有するGIST に対する姑息切除は有効ではない。<推奨度:グレードC2>

CQ14.GIST 切除においては切除断端を確保すべきか。
 

少なくとも肉眼的断端陰性は確保すべきである。<推奨度:グレードC1>

CQ15.GIST 根治手術後のフォローアップの間隔・検査方法はどのようにすべきか。
 

リスク分類に応じた頻度で,CT フォローが望ましい。<推奨度:グレードC1>

CQ16.再発GIST に対する外科治療はどのような症例に適応があるか。
 

局所再発のみのGIST と一部の切除可能肝転移に適応がある可能性はあるが,原則,再発GIST の治療として外科切除は勧められない。<推奨度:グレードC2>

4.内科治療
CQ1.イマチニブの効果予測にKIT 染色は有効か。
 

KIT 陽性GIST 患者でイマチニブの奏効が確認されている。<推奨度:グレードA>

CQ2.イマチニブの効果予測にc-kit の遺伝子解析は有効か。
 

イマチニブに対する奏効率とc-kit およびPDGFRA 遺伝子の変異には相関がある。イマチニブ治療に対する効果予測に変異解析は有用である。<推奨度:グレードB>

CQ3.イマチニブの投与量は400mg/日と800mg/日のどちらを選択すべきか。
 

N Engl J Med 2002(B2222試験)2),Lancet 20043)より,初回投与量は400mg/日が推奨される。<推奨度:グレードA>

CQ4.イマチニブ投与により奏効が得られた場合,イマチニブを続行すべきか。
 

BFR14 試験より,増悪(PD)または不耐容まで継続すべきとされている。<推奨度:グレードA>

CQ5.イマチニブの血中濃度測定は有効か。
 

血中濃度測定の臨床的意義は乏しく,日常臨床において測定の必要性は低い。<推奨度グレードC2>

CQ6.イマチニブ400mg/日投与中にPDになった症例に対して,投与量増加は有効か。
 

EORTC62005 試験(Zalcberg, ASCO 2004)5),S0033 試験(Rankin,ASCO 2004)6)により400mgから800mgへの増量により,PR+SD が33%,38%に認められ,ともに4 カ月の効果持続が示された。

CQ7.イマチニブはGIST 術後補助化学療法に有効か。
 

高リスクあるいは腫瘍破裂を認める術後GIST に対して,3 年間のイマチニブ投与が推奨される。<推奨度:グレードB>

CQ8.イマチニブはGIST 術前化学療法に有効か。
 

イマチニブ術前補助化学療法の有用性は明らかでない。<推奨度:グレードC2(生存期間の延長)><推奨度:グレードC1(QOLの改善)>

CQ9.スニチニブ不応症例の有効な治療は何か。
 

レゴラフェニブ:Placebo control 試験でイマチニブおよびスニチニブに耐性あるいは不忍容の症例に対する治療効果が検証された。<推奨度:グレードA>