GISTのガイドラインは第1 版が発刊され6 年が経過した。この間、GIST 治療に対する基準は国内外で変化し第2 版、第2 版補訂版が発行された。しかし、その後の3 年あまりの間には、その他に問題となるリスク分類やアジュバント治療など多くのことが明らかにされてきた。そのため、推奨の見直しまで踏み込んだ改訂が必要であるとの要望が生じ、今回の改訂となった。主な改訂点は以下の点である。

画像診断改訂点
  1. “Ⅰ.初回画像診断の方針”の項目において
    CT のスライス厚/間隔の標準を7mm から5mm に変更
  2. “Ⅲ.GIST のイマチニブ投与後の治療効果判定”の項目において
    分子標的薬に対するGIST の治療効果判定はRECIST1.1 による基準では対応困難な場合も多いため、CT による治療効果判定基準を追加記載した。なお、FDG-PET による効果判定についてはわが国ではまだ保険適用が認められていないため、強く推奨していないことを記載した。
  3. “Q and A”の項目において
    1. (1)GIST の画像診断・検査は、前版では各種検査別にQ and A を述べ説明を加えてあったが、これらを削除し、Q1 の項目にまとめて記載した。
    2. (2)イマチニブのGIST 治療効果判定に有効な画像検査は、前版では各種検査別にQ and A を述べ説明を加えてあったが、これらを削除し、Q2 の項目にまとめて記載した。また、推奨度のグレードも一部変更した。
    3. (3)イマチニブによるGIST 治療の早期治療効果判定にどのようなものが有効かの問いの推奨度をグレードC2 に変更した。
病理診断改訂点

【追加された事項】

  1. “Ⅰ.病理診断の基本”の項目において
    GIST の特異的マーカーとして報告されているDOG1 の有用性についての記載を追加した(Q and A にも追加記載)。
  2. “Ⅱ.GIST のリスク分類” の項目において
    1. (1)胃のGIST とそれ以外のGIST の間でのリスクの違いと腫瘍破裂の有無を考慮して“いわゆるJoensuu 分類”を新たに追加した。
    2. (2)患者に対する予後の説明において、リスク分類表では不十分な部分を補うために、Contour maps を追加した。
    3. (3)リスク分類においては核分裂像数の評価が重要であるが、顕微鏡の接眼レンズの視野数が異なると観察面積が異なり、同じ高倍50 視野でも核分裂像数が違ってくることに留意すべきであることを記載した。
  3. “Ⅲ.特殊なGIST”を新たな項目として追加し、神経線維症や“いわゆる若年GIST”、Carney triad、Carney-Stratakis 症候群などに関連するGIST、さらに家族性に多発するGIST について説明を加えた。

【削除された事項】

  1. MIB-1 index を用いたリスク分類は、通常の診断に一般的に使用されていないため削除した。
外科治療改訂点
  1. “Ⅰ.手術の原則”の項目において
    外科治療の原則の一部を削除した。
  2. “Ⅱ.腹腔鏡下手術”の項目において
    腹腔鏡下手術の記載を一部削除、追加し、現時点での腹腔鏡下手術の現状を記載した。
  3. “Ⅲ.術後フォローアップ”の項目において
    Comment に関して、明らかにされた結果を記載した。
  4. “Ⅳ.臨床試験段階の治療”の項目において
    局所進行GIST症例に対するイマチニブの術前・術後の補助療法は現時点でどのように行うことが望ましいか明らかにされたことを前版に追加記載した。
    これらに関しての詳細な説明はComment に追加した。
  5. Q and A の項目において、推奨度:グレードを変更した。
内科治療改訂点
  1. “Ⅰ.内科治療の適応と原則”の項目名を“Ⅰ.切除不能・転移性GIST”に変更した。
    Ⅰの項目内の治療の原則において、一部修正、削除した。
  2. “Ⅱ.臨床試験”の項目名を“Ⅱ.イマチニブ耐性GIST”に変更した。
    Ⅱの項目内の薬物療法の原則において、臨床試験で明らかにされたことを基に一部修正、削除した。
  3. イマチニブ耐性GIST に対し、2013 年8 月20 日よりレゴラフェニブの使用が可能になったことをうけ、“Ⅲ.スニチニブ耐性GIST”の項目を新たに追加した。
  4. “Ⅲ.臨床試験段階の治療Marginally Resectable GIST”の項目番号・名を“Ⅳ.術後補助化学療法”と変更し、薬物療法について記載した。
アルゴリズム

上記の各項目の変更をうけ、一部改訂した。
大きな改訂点は、2013 年8 月20 日よりレゴラフェニブの使用が可能になったことをうけ、変更されたイマチニブ耐性GIST 治療の変更である。