2015 年版の作成にあたって

今回,日本泌尿器科学会より刊行された『精巣腫瘍診療ガイドライン2015 年版』は,2009 年版に新たな改訂を加えたものです。基本的には2009 年版の形式を踏襲しましたが,文献の アップデートおよびそれに伴う推奨の変更,実際のニーズにあったクリニカルクエスチョン (CQ)の改変を行いました。今回行った主な改変ポイントは以下の通りです。

①エビデンスレベル,推奨グレードの変更

Minds のガイドライン作成の手引きに記載されているものを用い,推奨グレードは5 段階,エビデンスレベルは7 段階で評価しました。。

②CQ の改変

2009 年版は32 個であったものを30 個に改変しました。。

③IGCCC 判定時のHCG 測定に関する注意点の追加

本ガイドラインはあくまで,我が国における現時点での標準的と考えられる診療を示した ものであって,強制力を持つものではありません。しかし,医療が多様化するにあたって, 診療の均てん化に寄与するものと考えます。

最後に,改訂版を発刊するにあたり,ご多忙の中文献の吟味や本文作成,評価をいただきました作成委員の先生方,外部評価委員の先生方に感謝申し上げます。

本ガイドラインはさらに3 年後をめどに改訂する予定ですが,より充実したガイドラインとなるためにも,お気づきの点やご意見がございましたら,本ガイドライン作成委員または日本泌尿器科学会までご進言いただければ幸いです。

平成27 年1 月

精巣腫瘍診療ガイドライン2015 年版・作成委員長
三木 恒治