No. |
クリニカルクエスチョン |
推奨 |
グレード |
CQ1 |
外陰上皮内腫瘍(VIN)に対して推奨される治療は? |
- ①LSIL に対しては経過観察を行う。
|
A |
- ②HSIL または分化型VIN(dVIN)では,個々の症例に応じ,局所切除術(wide local excision)あるいは単純外陰切除術(simple vulvectomy),またはレーザー蒸散術(laser vaporization)が考慮され,両者が併用されることもある。
|
C1 |
CQ2 |
広汎外陰切除術の適応と術式は? |
- ①病巣が外陰や会陰に限局しており,腫瘍径が2 cmをこえるか間質浸潤の深さが1mmをこえる症例には,広汎外陰切除術(radical vulvectomy)が奨められる。
|
B |
- ②分割切開法(separate incision)が奨められる。
|
B |
CQ3 |
縮小手術の適応は? |
- ①腫瘍径が2 cm 以下で間質浸潤の深さが1 mm以下の症例は,病巣を中心とした局所切除術(wide local excision)のみでよい。
|
B |
- ②腫瘍径が2 cm 以下で間質浸潤の深さが1 mm をこえる,あるいは腫瘍径が2cmをこえる例でも,外陰の側方,会陰に限局した孤在性病変で切除マージンが2 cm 確保できる症例では,根治的外陰部分切除術(radical local excision)が考慮される。
|
C1 |
CQ4 |
周辺臓器に浸潤が及ぶ局所進行例に対して推奨される手術療法は? |
- ①明らかなリンパ節転移がなく,完全切除が予想される場合には,骨盤除臓術(pelvic exenteration)が考慮される。
|
C1 |
- ②骨盤除臓術によるQOL の低下を回避するために,術前同時化学放射線療法(術前CCRT)あるいは術前化学療法も考慮する。
|
C1 |
CQ5 |
リンパ節郭清の適応と範囲は? |
- ①腫瘍径が2 cm以下で間質浸潤の深さが1 mm以下の症例ではリンパ節郭清が省略できる。
|
B |
- ②上記以外の根治手術例でリンパ節転移の疑われない症例においても,少なくとも患側の浅鼠径・深鼠径リンパ節両者の郭清の施行が考慮される。
|
C1 |
- ③腫瘍径が2 cm以下の片側病巣では患側のみのリンパ節郭清が考慮される。
|
C1 |
- ④広汎外陰切除術(radical vulvectomy)と鼠径リンパ節郭清が行われた鼠径リンパ節転移陽性例には,鼠径部および骨盤への術後放射線治療が奨められる。
|
B |
- ⑤転移を疑う腫大した鼠径リンパ節を認め,摘出可能な場合には,少なくとも腫大リンパ節摘出による転移の組織学的検索が奨められる。
|
B |
CQ6 |
センチネルリンパ節生検によりリンパ節郭清を省略できるか? |
鼠径リンパ節転移が疑われない症例においては,センチネルリンパ節生検により鼠径リンパ節郭清の省略が考慮されるが,本邦の現状を鑑み,試験的位置付けで行われるべきである。 |
C1 |
CQ7 |
放射線治療の適応と方法は? |
- ①切除マージンが8mm 未満,または高度な脈管侵襲が認められる場合は原発部位への術後照射が考慮される。
|
C1 |
- ②鼠径リンパ節に2 個以上の転移が認められる場合,またはリンパ節転移の被膜外浸潤が認められる場合は,鼠径部および骨盤への術後照射が推奨される。
|
B |
- ③被膜外浸潤のない鼠径リンパ節転移が1 個の場合,術後照射の省略が考慮される。
|
C1 |
- ④手術不能例に対して根治的放射線治療が考慮される。
|
C1 |
- ⑤局所進行例において隣接臓器機能温存を図る場合は術前照射が考慮される。
|
C1 |
- ⑥プラチナ製剤単剤もしくは同剤を含む化学療法の同時併用が考慮される。
|
C1 |
CQ8 |
化学療法の適応は? |
- ①局所進行例に対しては術前化学療法も考慮される。
|
C1 |
- ②遠隔転移のある進行・再発例に対して考慮される。
|
C1 |
CQ9 |
治療後の経過観察は? |
- ①治療後の経過観察の間隔は
1 〜2 年目:1 〜3 カ月ごと
3 〜5 年目:6 カ月ごと
6 年目以降:1 年ごと
を目安とする。
|
C1 |
- ②問診,視診,触診,細胞診や生検,胸部X 線検査,腫瘍マーカー,CT などを行い,再発だけでなく後遺症の発生についても観察する。
|
C1 |
CQ10 |
再発に対して推奨される治療は? |
- ①手術後に局所に限局した再発に対しては再切除が考慮される。
|
C1 |
- ②切除不能または周辺臓器に浸潤が及ぶ局所再発には,放射線が未照射であれば同時化学放射線療法(CCRT)が考慮される。
|
C1 |
- ③骨盤,遠隔転移,多発病巣を有する再発例には化学療法が考慮される。
|
C1 |
- ④効果的な治療が残されていない場合はbest supportive care(BSC)が考慮される。
|
C1 |
No. |
クリニカルクエスチョン |
推奨 |
グレード |
CQ11 |
腟上皮内腫瘍(VAIN)に対して推奨される治療は? |
- ①LSIL に対しては経過観察を行う。
|
A |
- ②HSIL には,個々の症例に応じ,外科的治療として局所,部分もしくは全腟壁切除術(total vaginectomy),保存的治療としてレーザー蒸散術(laser vaporization)が考慮される。
|
C1 |
- ③Loop electrosurgical excision procedure(LEEP)は,膀胱損傷や直腸損傷のリスクがあり奨められない。
|
D |
CQ12 |
放射線治療の適応と方法は? |
- ①Ⅰ期で腫瘍の厚みが5 mm以下の腟癌には,密封小線源治療または外部照射+密封小線源治療が考慮される。
|
C1 |
- ②Ⅰ期で腫瘍の厚みが5 mmをこえるかⅡ 〜ⅣA 期の腟癌には,外部照射+密封小線源治療または外部照射が考慮される。
|
C1 |
- ③プラチナ製剤単剤または同剤を含む化学療法の同時併用が考慮される。
|
C1 |
CQ13 |
手術療法の適応と方法は? |
- ①臨床進行期Ⅰ・Ⅱ期で腟の上部1 / 3に局在している場合には手術療法が考慮される。
|
C1 |
- ②手術療法では,広汎子宮全摘出術または準広汎子宮全摘出術+ 骨盤リンパ節郭清に加え,十分な切除マージンを確保した腟摘出術を行うことが考慮される。
|
C1 |
- ③臨床進行期Ⅳ A 期では骨盤除臓術(pelvic exenteration)も考慮される。
|
C1 |
CQ14 |
治療後の経過観察は? |
- ①治療後の経過観察の間隔は
1 〜2 年目:1 〜3 カ月ごと
3 〜5 年目:6 カ月ごと
6 年目以降:1 年ごと
を目安とする。
|
C1 |
- ②問診,視診,触診,細胞診や生検,胸部X線検査,腫瘍マーカー,CT などを行う。
|
C1 |