情報開示の運用ツールと更新について

医療情報倫理と公平性の立場から作成された日本癌治療学会の「がん診療ガイドライン」は,その開示において,信頼性獲得の立場からISO 14001国際規格に準じる方法を採用し,運用する予定である。先ず,ガイドラインの内容に関するコミットメントは,日本癌治療学会と各種がん関連学会・研究会に求め,可能な範囲でPDCA(Plan, Do, Check, Act)cycle方式で行う(図1)。

また,情報は時代と共に変わりゆくものであるが,特に,がん医療を含めた医学の進歩は,日進月歩から時進日歩の段階にあり,ガイドラインの内容も当然適時更新・改定が必要である。そのために,ガイドラインの内容の「妥当性」,「有効性」,「適切性」を常に厳守しながら見直しを行い,適切にアウトカムを評価した上で,適時,変更あるいは削除を含めて更新する予定である。その目安は,各がん腫の特徴にもよるが大凡2〜3年毎に新しい文献に基づくEBMの紹介とその構造化抄録の追加,および治療内容の一部の変更が必要と推察している。また,アウトカムの評価は,実地臨床医や患者・家族を対象に適時アンケート形式による調査を行い,ガイドラインの利用程度や内容に関する希望などを検索し,その結果を次のサイクルに反映する予定である。

(佐治重豊)