疼痛管理 〜治療ガイドライン

ガイドライン文中の文献番号から,該当する参考文献一覧を参照することができます

目次:


資 料

1.作成過程

1.2010 年版の作成過程

本ガイドラインは,日本緩和医療学会の「緩和医療ガイドライン作成委員会 がん疼痛ガイドライン作業部会」(以下,委員会)が,2001 年に発行された「診療ガイドラインの作成の手順」(福井次矢・丹後俊郎)に準じて作成した。エビデンスレベルと推奨の強さに関しては,緩和ケアの性質やガイドラインの研究に関する現状を考慮し,前述のように定めた(Ⅰ-3 推奨の強さとエビデンスレベルの項参照)。

作成後,AGREE 評価法(2001)による評価を行った。

❶ 概 要

日本緩和医療学会において委員会を組織し,ガイドラインの作成のための手順を作成した。次に,各委員から臨床疑問案を収集し,委員会において臨床疑問を作成した。続いて,委員が分担して,系統的文献検索を行い該当文献を収集し,基準を満たす論文を抽出し,臨床疑問に対する原案を作成した。原案は,デルファイ法に従って合意が得られるまで修正した。さらに,外部委員の評価を得たあとに,再びデルファイ法を行い最終版を作成した。

❷ 臨床疑問の設定

収集した臨床疑問案をPECO 形式(P:患者,E:暴露,C:比較,O:結果)に定式化した。定式化された臨床疑問を解決できる臨床研究が存在しなかった場合には,より包括的な臨床疑問を作成した。合計65 の臨床疑問をおいた。

❸ 系統的文献検索

臨床疑問ごとに行った。文献のソースは,①PUBMED を用いた系統的文献検索(詳細は,Ⅳ-2 文献の検索式の項参照)とそのrelated articles,②2000 年1 月1 日〜2008年7 月31 日までのJournal of Pain and Symptom ManagementおよびPalliative Medicine のhand search,③Cochrane database のPaPaS category(Cochrane Pain,Palliative and Supportive Care)の該当項目,④委員会で参考資料として選択したガイドラインと教科書に引用されている文献,および作成委員のデータベースとそれらの引用文献とした。これらから,担当者が適格基準(表1)に満たすものをすべて選択した。製薬会社などからの資金提供を受けている文献はわかるように同定した。原則として,基準に該当しない研究は参考文献とした。文献検索の対象とした期間については,各項目ごとに設定した(Ⅳ-2 文献の検索式参照)。

表1 文献の適格基準
  • 成人を対象としている
  • 日本語または英語で記載されている
  • 主な対象患者はがん患者である
  • 国内で利用できる方法・薬物である
  • 系統的レビュー、メタアナリシス、無作為化比較試験、または前向きの観察的研究・前後比較研究である
  • 抗がん治療(外科治療、化学療法、放射線治療)の効果としての痛みをみているもの、および、処置に伴う痛みをみているものは除外する。

※該当論文がほとんどない神経障害性疼痛やせん妄などの項目については非がん患者を対象とした研究も含めて検討したが、対象患者はがん患者であるか、非がん患者であるかを区別して記述した。

❹ ガイドラインと教科書

参考資料として,既存のガイドラインと教科書は以下のものを選択した。

1)ガイドライン
  • EAPC ガイドライン(2001a)
    Hanks GW, de Conno F, Cherny N, et al;Expert Working Group of the Research Network of the European Association for Palliative Care. Morphine and alternative opioids in cancer pain:the EAPC recommendations. Br J Cancer 2001;84:587-93
  • EAPC ガイドライン(2001b)
    Cherny N, Ripamonti C, Pereira J, et al;Expert Working Group of the European Association of Palliative Care Network. Strategies to manage the adverse effects of oral morphine:An evidence-based report. J Clin Oncol 2001;19: 2542-54
  • EAPC ガイドライン(2002)
    Mercadante S, Radbruch L, Caraceni A, et al;Steering Committee of the European Association for Palliative Care(EAPC)Research Network. Episodic(breakthrough)pain:consensus conference of an expert working group of the European Association for Palliative Care. Cancer 2002;94:832-9
  • NCCN ガイドライン(2008)
    National Comprehensive Cancer Network:NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology, Adult cancer pain.
    http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.asp
  • ESMO ガイドライン(2007)
    ESMO Guidelines Working Group, Jost L. Management of cancer pain:ESMO clinical recommendations. Ann Oncol 2007;18(Suppl 2):ii92-4
  • ACCP ガイドライン(2007)
    Kvale Pa, Selecky PA, Prakash UB;American College of Chest Physicians. Palliative care in lung cancer:ACCP evidence-based clinical practice guidelines(2nd edition). Chest 2007;132(Suppl 3):S368-403
2)教科書
  • Loeser JD. eds; Butler SH, Chapman CR, Turk DC. associate eds. Bonica's Management of Pain, 3rd ed, Lippincott Williams & Wilkins, 2001
  • Berger AM, Shuster JL, Von Roenn JH eds. Principles and Practice of Palliative Care and Supportive Oncology, 3rd ed, Lippincott Williams & Wilkins, a Wolters Kluwer business, 2007
  • Doyle D, Hanks GWC, Cherny NI, Calman K eds. Oxford Textbook of Palliative Medicine, 3rd ed, Oxford University Press, 2005
  • McMahon SB, Koltzenburg M eds. Wall and Melzack's Textbook of Pain, 5th ed, Elsevier Churchill Livingstone, 2006
  • Walsh D. eds. Palliative Medicine, Saunders Elsevier, 2009
  • Bruera E, Higginson IJ, Ripamonti C, von Gunten C eds. Textbook of Palliative Medicine, Hodder Arnold, 2006
❺ 妥当性の検証

(1)デルファイ法前の検討

背景知識,推奨全体にわたるガイドライン全体を130 項目に分け,それぞれについて,わかりやすさ,妥当性を3 件法で評価を求めた。項目ごとに回答の分布を各委員に公開し,16 時間の会議によって相違点を議論した。

(2)1 回目のデルファイ法

「背景」,「推奨」の185 項目それぞれについて妥当性を1(適切でない)から9(適切である)の9 件法で評価を求めた。その結果,中央値8 以上の項目が162 項目(最小と最大の差が6 以上:96 項目),中央値が7 以上8 未満の項目が14 項目であり,中央値が7 未満の項目が9 項目であった。項目ごとに中央値,最小値,最大値を各委員に公開し,会議によって相違点を議論した。議論の議事録を委員に配布し,原稿の修正を行った。

(3)2 回目のデルファイ法

「背景」,「推奨」の184 項目それぞれについて妥当性を1(適切でない)から9(適切である)の9 件法で評価を求めた。その結果,中央値8 以上の項目が177 項目(最小と最大の差が6 以上:43 項目),中央値が7 以上8 未満の項目が5 項目であり,中央値が7 未満の項目が2 項目であった。1 回目のデルファイ法に比較してコンセンサスが得られていると考えられ,全体として大きな意見の相違を認めないと考えられた。項目ごとに中央値,最小値,最大値を各委員に公開し,会議によって相違点を議論した。相違点の修正を含めて,全体の統一をとるために,3 名からなるタスクフォース(山本 亮,新城拓也,森田達也)により「推奨」を内容を変更しない形で一貫して加筆修正した。修正した原稿を委員会の暫定稿とした。

(4)3 回目のデルファイ法と評価委員による評価

委員会の暫定稿に対して,評価委員(本ガイドラインの作成に関与していなかった医師と看護師)12 名に評価を求めた。あわせて,再び,「背景」,「推奨」の180 項目それぞれについて妥当性を1(適切でない)から9(適切である)の9 件法で評価を求めた。その結果,中央値8 以上の項目が178 項目(そのうち最小と最大の差が6:14 項目;7:1 項目),中央値が7 以上8 未満の項目が2 項目であった。中央値が8 未満の2 つの項目については本文から削除した。以上の結果,大きな意見の相違を認めず,一致がみられたと考えられた。

(5)委員会による修正

評価委員の評価とデルファイ法の結果をもとに,作成委員による2 日間の会議を行い,修正を加えたものを委員会で承認した。最終原稿を,作成委員6 名(志真泰夫,新城拓也,細矢美紀,的場元弘,森田達也,山本 亮)で小修正を加え,的場元弘が集約した。

(6)背景の関連学会の記載

背景知識のうち,薬物療法以外の痛み治療法に関しては,「放射線治療」,「経皮的椎体形成術(骨セメント)」を,それぞれ,日本放射線腫瘍学会,日本インターベンショナルラジオロジー学会に依頼した。

(7) AGREE ガイドラインによる評価

最終原稿について,小山 弘,四方 哲により,AGREE ガイドライン(2001)による評価を行った〔AGREE 共同計画ガイドラインの研究・評価用チェックリストAppraisal of Guidelines for Research & Evaluation(AGREE)instrument,2001 年9 月,http://www.mnc.toho-u.ac.jp/mmc/guideline/AGREE-final.pdf〕。AGREE に基づきガイドラインを評価したところ,作成過程は厳密であると考えられ,編集の独立性も十分であると考えられた。一方,適用可能性(applicability)についての記載は不十分であり,特に次回改訂時には,ガイドライン遵守をモニタリングする方法に関する提案がなされることが望まれると評価された。

❻ 緩和医療学会の承認

日本緩和医療学会において承認した。

❼ ガイドライン作成者
[緩和医療ガイドライン作成委員会]

【委員長】

志真 泰夫

筑波メディカルセンター病院緩和医療科

【担当委員】

戸谷(細矢)美紀

国立がん研究センター中央病院看護部

的場 元弘

国立がん研究センター中央病院緩和医療科・精神腫瘍科

森田 達也

聖隷三方原病院緩和支持治療科
[がん疼痛ガイドライン作業部会]

【部会長】

志真 泰夫

筑波メディカルセンター病院緩和医療科

【副部会長】

戸谷(細矢)美紀

国立がん研究センター中央病院看護部

的場 元弘

国立がん研究センター中央病院緩和医療科・精神腫瘍科

森田 達也

聖隷三方原病院緩和支持治療科

【委 員】

赤木  徹

国立がん研究センター中央病院薬剤部

荒井 保明

国立がん研究センター中央病院放射線診断科,
日本インターベンショナルラジオロジー学会〔外部委員〕

新幡 智子

慶應義塾大学看護医療学部

有賀 悦子

帝京大学医学部内科学講座緩和医療科,
帝京がんセンター/医療情報システム研究センター

池永 昌之

淀川キリスト教病院ホスピス

井沢 知子

京都大学医学部附属病院看護部

伊勢 雄也

日本医科大学付属病院薬剤部

井関 雅子

順天堂大学医学部麻酔科・ペインクリニック

伊東 俊雅

東京女子医科大学病院薬剤部

射場 典子

NPO 法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン

今井 堅吾

淀川キリスト教病院ホスピス

上園 保仁

国立がん研究センター研究所がん患者病態生理研究部

上田 敬子

恵佑会札幌病院緩和ケア科

梅田  恵

株式会社緩和ケアパートナーズ

大坂  巌

静岡県立静岡がんセンター緩和医療科

大澤 匡弘

星薬科大学薬物治療学教室

大畑 美里

聖路加国際病院看護部

小笠原利枝

横浜市立みなと赤十字病院看護部

岡本 禎晃

大阪大学大学院薬学研究科実践薬学教育研究センター病院薬学教育研究部

奥津 輝男

静岡県立静岡がんセンター緩和医療科

奥出有香子

順天堂大学医学部附属順天堂医院看護部

加賀谷 肇

済生会横浜市南部病院薬剤部

風間 郁子

国際医療福祉大学三田病院看護部

片山 志郎

日本医科大学付属病院薬剤部

加藤  恵

武蔵野赤十字病院看護部

川地香奈子

癌研究会有明病院看護部

川村三希子

北海道医療大学看護福祉学部

木下 寛也

国立がん研究センター東病院緩和医療科・精神腫瘍科

葛巻 直子

星薬科大学薬品毒性学教室

工藤 尚子

国立がん研究センター研究所

国分 秀也

北里大学病院薬剤部

小島 圭子

東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科

小原 弘之

県立広島病院緩和ケア科

小宮 幸子

横浜市立大学附属病院薬剤部

小山  弘

国立病院機構京都医療センター教育研修部長〔外部委員〕

小山富美子

近畿大学医学部附属病院がんセンター看護部

境  徹也

長崎大学医学部麻酔学教室

坂元 敦子

杏林大学医学部付属病院看護部

坂本 雅樹

名古屋市立大学病院緩和ケア部

佐々木聡美

みどり内科クリニック

佐野 元彦

埼玉医科大学総合医療センター薬剤部

塩川  満

聖路加国際病院薬剤部

四方  哲

蘇生会総合病院外科〔外部委員〕

宍戸 英樹

宍戸内科医院

篠  道弘

静岡県立静岡がんセンター薬剤部

篠原 明子

帝京大学医学部附属病院緩和医療科

清水わか子

君津中央病院放射線治療科,日本放射線腫瘍学会

白髭  豊

白髭内科医院

新貝夫弥子

愛知県がんセンター中央病院看護部

新城 拓也

社会保険神戸中央病院緩和ケア病棟

須賀 昭彦

静岡済生会総合病院緩和医療科

鈴木  勉

星薬科大学薬品毒性学教室

高瀬 久光

福岡大学病院薬剤部

高田 慎也

国立病院機構北海道がんセンター薬剤科

高田 正史

長崎大学病院麻酔科

瀧川千鶴子

KKR 札幌医療センター緩和ケア科

田口 賀子

大阪府立成人病センター看護部

田中 桂子

がん・感染症センター都立駒込病院緩和ケア科

長  美鈴

聖路加国際病院緩和ケア科

敦賀 健吉

北海道大学医学研究科麻酔・周術期医学分野

冨安 志郎

長崎市立市民病院麻酔科・緩和ケアチーム

中川 貴之

京都大学薬学研究科生体機能解析学分野

中西 真理

在宅看護研究センターLLP 日本在宅看護システム

成田  年

星薬科大学薬品毒性学教室

西岡 弘晶

名古屋記念病院総合内科

能勢 誠一

長崎大学病院薬剤部

浜野  淳

大和クリニック

林  章敏

聖路加国際病院緩和ケア科

林 ゑり子

藤沢湘南台病院看護部

久永 貴之

筑波メディカルセンター病院緩和医療科

久原  幸

手稲渓仁会病院がん治療管理センター緩和ケア室・緩和ケア チーム

尾藤 誠司

NHO 東京医療センター教育研修部/臨床疫学研究室

廣岡 佳代

聖路加看護大学看護実践開発研究センター

府川美沙子

北里大学病院薬剤部

北條美能留

長崎大学病院麻酔科・緩和ケアチーム

細川 豊史

京都府立医科大学麻酔科

細谷  治

城西大学薬学部薬剤学講座

本田 晶子

聖路加看護大学看護実践開発研究センター

前堀 直美

株式会社レーベンプラン レモン薬局三方原店

松坂  俊

手稲渓仁会病院総合内科/感染症科・緩和ケアチーム

松田 陽一

大阪大学大学院医学系研究科麻酔・集中治療医学講座

松本 直子

聖路加看護大学図書館

松本 禎久

国立がん研究センター東病院緩和医療科・精神腫瘍科

三浦 里織

慶應義塾大学病院看護部

村上 敏史

国立がん研究センター中央病院緩和医療科・精神腫瘍科

村田 寛明

長崎大学医学部麻酔学教室

森脇 俊和

筑波大学大学院消化器内科〔外部委員〕

八戸 すず

順天堂大学がん治療センター緩和ケアチーム

山口 敬介

順天堂大学医学部麻酔科ペインクリニック講座

山口  崇

筑波メディカルセンター病院緩和医療科

山本  亮

佐久総合病院総合診療科・緩和ケアチーム

温泉川真由

国立がん研究センター研究所腫瘍ゲノム解析・情報研究部

余宮きのみ

埼玉県立がんセンター緩和ケア科

龍  恵美

長崎大学病院薬剤部・緩和ケアチーム

渡邊 紘章

静岡県立静岡がんセンター緩和医療科

渡邉 眞理

神奈川県立がんセンター地域医療連携室

【評価委員】

飯野 京子

国立看護大学校成人看護学

加藤 裕久

昭和大学薬学部医薬品情報学教室〔外部委員〕

川越 正平

あおぞら診療所

木澤 義之

筑波大学大学院人間総合科学研究科

下山 直人

国立がん研究センター東病院緩和医療科・精神腫瘍科

茶谷 正史

大阪労災病院放射線科〔外部委員〕

恒藤  暁

大阪大学大学院医学系研究科緩和医療学

中島 康雄

聖マリアンナ医科大学放射線医学教室〔外部委員〕

中山 健夫

京都大学健康情報学〔外部委員〕

奈良林 至

埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター緩和医療科

向山 雄人

癌研有明病院緩和ケア科

村川 和重

兵庫医科大学疼痛制御科学・ペインクリニック部

(五十音順)


2.2014 年版の作成過程

本ガイドラインは,日本緩和医療学会の「緩和医療ガイドライン委員会 がん疼痛薬物療法ガイドライン改訂WPG」(以下,委員会)が,2010 年版に新規薬剤の追加や新しい知見の反映を行って修正した。

推奨の変更はなかったため,新たにデルファイ法や外部評価は行わなかった。

❶ 概 要

日本緩和医療学会において委員会を組織し,ガイドラインの作成のための手順を作成した。次に,各委員から新規に追加すべき薬剤,項目,修正すべき問題点を収集し,改訂すべき点を集約した。続いて,執筆者が分担して,系統的文献検索と該当文献の収集を行い,基準を満たす論文を抽出し,臨床疑問に対する追記,修正を行い原案を作成した。原案は,ステアリング委員で修正,執筆者による修正を繰り返して最終版を作成した。

❷ 臨床疑問の設定

2010 年版の臨床疑問を用いた。

❸ 系統的文献検索

文献検索は,2010 年の方法を踏襲し,検索期間は2000 年1 月1 日〜2012 年12 月31 日とした。2010 年版に掲載した検索式を使用し,2008 年から期間を延長して検索と文献収集を行った。ただし,新規に追加した薬剤が含まれる臨床疑問については,2010 年版の検索式に新規の薬剤名を追加し,2000 年から2012 年まで期間を拡大して検索を行った。文献のソースおよび適格基準などは,2010 年版の方法を使用した。文献検索の対象とした期間については,項目ごとに設定した(Ⅳ-2 文献の検索式参照)。

❹ ガイドライン

参考資料として,2010 年版で使用したガイドラインに加えて,以下のものを使用した。

  • EAPC ガイドライン(2012)
    Caraceni A, Hanks G, Kaasa S, et al;European Palliative Care Research Collaborative(EPCRC);European Association for Palliative Care(EAPC). Use of opioid analgesics in the treatment of cancer pain:evidence-based recommendations from the EAPC. Lancet Oncol 2012;13:e58-68
  • ESMO ガイドライン(2012)
    Ripamonti CI, Santini D, Maranzano E, et al;ESMO Guidelines Working Group. Management of cancer pain:ESMO Clinical Practice Guidelines. Ann Oncol 2012;23(Suppl 7):vii139-54
  • 日本ペインクリニック学会ガイドライン(2011)
    神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン(日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン作成ワーキンググループ 編),東京,真興交易医書出版部,2011
❺ 妥当性の検証

(1)委員会による修正

本ガイドラインは,2010 年版の改訂版であることをふまえ,ステアリング委員(13 名)がデルファイ委員を兼ねることとし,推奨の変更が生じた場合にのみデルファイを行うことを予定した。

各執筆者による第1 稿をステアリング委員会で評価,修正し,その結果を反映させた第2 稿をさらにステアリング委員会での評価と修正を行い,最終原稿を委員長(余宮きのみ)が適宜副委員長(森田達也)との検討のうえ集約した。その後,当学会理事会の承認を経て完成した。

鎮痛補助薬の項目において,推奨レベルおよびエビデンスレベルについて再検討したが,推奨を変更するまでには至らないと判断した。結果的に,推奨はすべて2010 年版と変わらないため,デルファイ,および外部委員とAGREE ガイドラインによる評価は受けないこととした。

(2)背景知識での関連学会の記載

背景知識のうち,薬物療法以外の痛み治療法に関しては,「放射線治療」,「経皮的椎体形成術(骨セメント)」,「神経ブロック」を,それぞれ,日本放射線腫瘍学会,日本インターベンショナルラジオロジー学会,日本ペインクリニック学会に依頼した。

❻ 緩和医療学会の承認

日本緩和医療学会において承認した。

❼ ガイドライン作成者と利益相反

以下に2014 年版のガイドライン作成者と利益相反を示す。

[利益相反開示事項]

日本緩和医療学会の利益相反に関する指針,細則,報告事項,Q&A については学会ホームページ(http://www.jspm.ne.jp/rieki)をご確認いただきたい。

[役員・委員等の利益相反開示事項(概要)]
  1. 1報告対象企業等の職員,顧問職か
  2. 2給与・報酬等100 万円以上
  3. 3講演料・原稿料・報酬等 50 万円以上
  4. 4受託研究費(治験)等200 万円以上
  5. 5研究助成金(寄付金)等200 万円以上
  6. 6株式等持ち分10%以上
  7. 7専門的証言・助言等100 万円以上
  8. 8株式・出資金等持ち分1,000 万円以上
[開示期間]

2012 年4 月1 日〜2013 年3 月31 日

[緩和医療ガイドライン委員会]

利益相反

委員長

太田惠一朗 聖路加国際病院消化器センター/消化器・一般外科 該当なし

副委員長
担当委員

田中 桂子 がん・感染症センター都立駒込病院緩和ケア科 該当なし
余宮きのみ 埼玉県立がんセンター緩和ケア科 該当なし

[がん疼痛薬物療法ガイドライン改訂WPG]

利益相反

WPG 員長

余宮きのみ 埼玉県立がんセンター緩和ケア科 該当なし

WPG 副員長

森田 達也 聖隷三方原病院緩和支持治療科 該当なし

WPG 員

安部 睦美 松江市立病院緩和ケア・ペインクリニック科 該当なし
川村三希子 札幌市立大学看護学部 該当なし
小山  弘 国立病院機構京都医療センター総合内科〔外部委員〕 該当なし
佐野 元彦 埼玉医科大学総合医療センター薬剤部 該当なし
田中 桂子 がん・感染症センター都立駒込病院緩和ケア科 該当なし
冨安 志郎 医療法人光仁会西田病院麻酔科 該当なし
久原 幸手 稲渓仁会病院がん治療管理センター緩和ケア室/緩和ケアチーム 該当なし
尾藤 誠司 国立病院機構東京医療センター
臨床研究センター臨床疫学研究室〔外部委員〕
該当なし
北條美能留 長崎大学病院麻酔科/緩和ケアチーム 該当なし
山本  亮 佐久総合病院佐久医療センター緩和ケア内科 該当なし
龍  恵美 長崎大学病院薬剤部/緩和ケアチーム 該当なし

執筆者

赤木  徹 国立がん研究センター中央病院薬剤部 該当なし
足立 誠司 鳥取市立病院総合診療科/地域医療総合支援センター 該当なし
荒井 保典 聖マリアンナ医科大学放射線医学講座,
日本インターベンショナルラジオロジー学会〔外部委員〕
該当なし
新幡 智子 筑波大学大学院人間総合科学研究科看護科学専攻 該当なし
有賀 悦子 帝京大学医学部緩和医療学講座 該当なし
池永 昌之 淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院ホスピス科 該当なし
伊勢 雄也 日本医科大学付属病院薬剤部 該当なし
井関 雅子 順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座 講演料,原稿料,報酬等:久光製薬株式会社,ファイザー株式会社
今井 堅吾 聖隷三方原病院ホスピス科 該当なし
梅田  恵 株式会社緩和ケアパートナーズ 該当なし
大坂  巌 静岡県立静岡がんセンター緩和医療科 該当なし
大澤 匡弘 名古屋市立大学大学院薬学研究科神経薬理学分野 該当なし
小笠原利枝 横浜市立みなと赤十字病院看護部 該当なし
岡本 禎晃 市立芦屋病院薬剤科 該当なし
奥津 輝男 鶴巻温泉病院 該当なし
加賀谷 肇 明治薬科大学臨床薬剤学教室 該当なし
風間 郁子 筑波大学附属病院看護部 該当なし
神谷 浩平 山形県立中央病院緩和医療科 該当なし
木下 寛也 国立がん研究センター東病院緩和医療科 該当なし
栗山 俊之 和歌山県立医科大学附属病院腫瘍センター緩和ケア部門 該当なし
国分 秀也 北里大学病院薬剤部 該当なし
小杉 寿文 佐賀県医療センター好生館緩和ケア科,日本ペインクリニック学会 該当なし
小原 弘之 県立広島病院緩和ケア科 該当なし
小宮 幸子 横浜市立大学附属病院薬剤部 該当なし
佐藤 恭子 昭和大学病院リハビリテーション科 該当なし
佐藤 哲観 弘前大学医学部附属病院麻酔科/緩和ケア診療室 該当なし
四方  哲 三重県立一志病院〔外部委員〕 該当なし
篠原 明子 上ヨ木中央醫院 該当なし
志真 泰夫 筑波メディカルセンター病院緩和医療科 該当なし
清水わか子 君津中央病院放射線治療科,日本放射線腫瘍学会 該当なし
須賀 昭彦 静岡済生会総合病院緩和医療科 該当なし
鈴木  勉 星薬科大学薬品毒性学教室 受託研究費等:塩野義製薬株式会社,久光製薬株式会社
研究助成金等:昭和薬品化工株式会社
鈴木 正寛 NTT 東日本関東病院緩和ケア科 該当なし
熕」 久光 北陸大学臨床薬学教育センター 該当なし
瀧川千鶴子 KKR 札幌医療センター緩和ケア科 受託研究費等:大鵬薬品工業株式会社
田口奈津子 千葉大学医学部附属病院麻酔・疼痛・緩和医療科 該当なし
田中 俊行 高崎総合医療センター外科/緩和医療科 該当なし
田村 恵子 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
臨床看護学講座緩和ケア・老年看護学分野
該当なし
長  美鈴 聖路加国際病院緩和ケア科 該当なし
坪田 信三 愛媛大学大学院医学系研究科麻酔・周術期学,
日本ペインクリニック学会
該当なし
中川 貴之 京都大学医学部附属病院薬剤部 該当なし
永倉 久泰 KKR 札幌医療センター放射線科,日本放射線腫瘍学会 該当なし
中山祐紀子 越川病院看護部 該当なし
長櫓  巧 愛媛大学大学院医学系研究科麻酔・周術期学,
日本ペインクリニック学会
該当なし
成田  年 星薬科大学薬理学教室 研究助成金等:日産化学工業株式会社
西岡 弘晶 神戸市立医療センター中央市民病院総合診療科 該当なし
野村 基雄 愛知県がんセンター中央病院薬物療法部 該当なし
浜野  淳 筑波大学医学医療系総合診療グループ・緩和ケアチーム 該当なし
林  章敏 聖路加国際病院緩和ケア科 講演料,原稿料,報酬等:協和発酵キリン株式会社
林 ゑり子 藤沢湘南台病院看護部 該当なし
久永 貴之 筑波メディカルセンター病院緩和医療科 該当なし
平川奈緒美 佐賀大学医学部麻酔・蘇生学,日本ペインクリニック学会 該当なし
廣岡 佳代 東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
看護システムマネジメント学
該当なし
細谷  治 城西大学薬学部薬剤学研究室 該当なし
細矢 美紀 国立がん研究センターがん対策情報センター
がん医療支援研究部教育研修室
該当なし
松田 陽一 大阪大学大学院医学系研究科麻酔・集中治療医学講座 該当なし
松本 禎久 国立がん研究センター東病院緩和医療科 該当なし
八戸 すず 順天堂大学医学部附属順天堂医院緩和医療学研究室 該当なし
安田俊太郎 国立がん研究センター中央病院薬剤部 該当なし
山口 敬介 順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座 該当なし
渡邊 紘章 小牧市民病院緩和ケア科 該当なし

(五十音順)


2.文献の検索式

1.2010 年版の文献検索式

  共通する疼痛治療

鎮痛薬が投与されていない軽度の痛みのあるがん患者

 鎮痛薬が投与されていない軽度の痛みのあるがん患者に対して,有効な治療は何か?

[臨床疑問1]参照

鎮痛薬が投与されていない軽度の痛みのあるがん患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問2]参照

鎮痛薬が投与されていない軽度の痛みのあるがん患者に対して,アセトアミノフェンは,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,36 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす2 件につき検討した。

#1. Cancer
#2. Pain
#3. Acetaminophen
Limits: 1965/01/01 to 2008/12/31, Humans, English, Japanese,

Meta-analysis/Randomized controlled trial

[臨床疑問3]参照

鎮痛薬が投与されていない軽度の痛みのあるがん患者に対して,NSAIDs は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,90 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす4 件につき検討した。

#1. Cancer
#2. Pain
#3. NSAIDs
Limits: 1965/01/01 to 2008/12/31, Humans, English, Japanese,

Meta-analysis/Randomized controlled trial

[臨床疑問4]参照

鎮痛薬が投与されていない軽度の痛みのあるがん患者に対して,ある非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs・アセトアミノフェン)は,他の非オピオイド鎮痛薬に比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,113 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす5 件につき検討した。

#1. Cancer
#2. Pain
#3. NSAIDs OR Acetaminophen OR Coxibs
Limits: 1965/01/01 to 2008/12/31, Humans, English, Japanese,

Meta-analysis/Randomized controlled trial

[臨床疑問5]参照

痛みでNSAIDs を投与されているがん患者において,プロスタグランジン製剤,プロトンポンプ阻害薬,H2受容体拮抗薬は,プラセボに比較して胃潰瘍の発生を予防するか?

系統的文献検索を新たには行わなかった。消化性潰瘍診療ガイドライン(2009 年)を用いて検討を行った。

非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られない,または,中等度以上の痛みのあるがん患者

 非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られない,または,中等度以上の痛みのあるがん患者に対して,有効な治療は何か?

[臨床疑問6]参照

非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られない,または,中等度以上の痛みのあるがん患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問7]参照

非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られない,または,中等度以上の痛みのあるがん患者に対して,オピオイドは,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,584 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,ペンタゾシン,ブプレノルフィンに関するものを除き,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす2 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR oxycodone OR fentanyl OR codeine OR opioid
#4.#1 AND #2 AND #3
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問8]参照

非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られない,または,中等度以上の痛みのあるがん患者に対して,あるオピオイドは,他のオピオイドに比較して痛みを緩和するか,副作用が少ないか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,584 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,ペンタゾシン,ブプレノルフィンに関するものを除き,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす15 件につき検討した。系統的レビューに含まれる重複する論文はなかった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR oxycodone OR fentanyl OR codeine OR opioid
#4.#1 AND #2 AND #3
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問9]参照

オピオイドの製剤や投与方法により,鎮痛効果や副作用に差があるか?

9−1参照
モルヒネの速放性製剤は,徐放性製剤に比較して,痛みを緩和するか,副作用が少ないか?
9−2参照
モルヒネのある徐放性製剤は,他の徐放性製剤に比較して,痛みを緩和するか,副作用が少ないか?
9−3参照
モルヒネの24 時間徐放性製剤の朝1 回投与は,夜1 回投与に比較して,痛みを緩和するか,副作用が少ないか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,584 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす2 件 につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR oxycodone OR fentanyl OR codeine OR opioid
#4.#1 AND #2 AND #3
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問10]参照

オピオイドを開始する時に,制吐薬を投与することは,投与しないことに比較して悪心・嘔吐を減少させるか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,26 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献を検索したが,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR oxycodone OR fentanyl OR codeine OR opioid
#4.Metclopramide OR prochlorperazine OR diphenhydramine OR haloperidol OR promethazine OR Steroid OR Risperidone OR Domperidone
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問11]参照

オピオイドを開始する時に,下剤を投与することは,投与しないことに比較して便秘を減少させるか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,19 件が該当した。hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献を検索したが,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR oxycodone OR fentanyl OR codeine OR opioid
#4.laxative OR preventive
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問12]参照

非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られないがん患者に対して,非オピオイド鎮痛薬を中止せずにオピオイドを開始することは,非オピオイド鎮痛薬を中止してオピオイドを開始することに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,55 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす4 件 につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath[tiab]OR analgesi[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR oxycodone OR fentanyl OR codeine OR opioid
#4.sparing effect OR addition
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

オピオイドが投与されている患者

 オピオイドが投与されている患者で,持続痛が緩和されていない場合,有効な治療は何か?

[臨床疑問13]参照

持続痛のある患者において,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問14]参照

オピオイドで鎮痛効果が得られない持続痛のある患者において,非オピオイド鎮痛薬をオピオイドと併用することは,併用しない場合に比較して痛みを緩和するか?

新たに文献検索は行わなかった。臨床疑問12を参照した。Ⅱ-3 WHO 方式がん疼痛治療法の項参照。

[臨床疑問15]参照

オピオイドの定期投与により鎮痛効果が得られない持続痛のある患者において,定期投与量の増量は痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,97 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献を検索したが,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.dose titration OR titrated OR escalation OR elevation OR increment
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問16]参照

あるオピオイドで適切な鎮痛効果が得られない患者において,他のオピオイドへの変更(オピオイドスイッチング)や,他のオピオイドの追加は痛みを緩和するか?

16−1(参照

あるオピオイドで適切な鎮痛効果が得られない患者において,他のオピオイドに変更することは,痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,25 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす4 件 につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.switching OR substitution OR rotation
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

16−2(参照

あるオピオイドで適切な鎮痛効果が得られない患者において,他のオピオイドを追加することは,痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,194 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす1 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.addition OR additive OR combi*
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問17]参照

あるオピオイドの経口投与または貼付剤で適切な鎮痛効果が得られない患者において,オピオイドを持続静注・持続皮下注に変更することは,痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,4 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす2 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour *[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.switching OR substitution OR rotation
#5.parenteral OR intravenous OR subcutaneous
#6.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問18]参照

オピオイドで適切な鎮痛効果が得られない患者において,オピオイドとケタミンの併用は,オピオイド単独に比較して痛みを緩和するか?

系統的レビューが存在したため,系統的文献検索を新たには行わなかった。系統的レビューのなかの引用文献から,適格基準を満たす5 件につき検討した。

[臨床疑問19]参照

オピオイドで適切な鎮痛効果が得られない患者において,オピオイドとコルチコステロイドの併用は,オピオイド単独に比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,20 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす3 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.steroids
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

 オピオイドが投与されている患者で,突出痛が緩和されていない場合,有効な治療は何か?

[臨床疑問20]参照

突出痛のある患者において,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問21]参照

突出痛のある患者において,オピオイドのレスキュー薬は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,62 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす6 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour *[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*[tiab]OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR remifentanil OR oxycodone OR codeine OR dihydrocodeine OR pentazocine OR buprenorphine OR tramadol OR opioid OR opiate OR opioids OR opiates
#4.breakthrough OR episodic OR transient OR transitory OR incident OR flare
#5.rescue OR as-needed OR supplemental OR breakthrough
#6.research design[mh]OR clinical trials[mh]OR comparative study[pt]OR placebos[mh]OR multicenter study[pt]OR clinical trial[pt]OR random[tiab]OR placebo[tiab]OR clinical trial[tiab]OR controlled clinical trial[pt]OR randomized controlled trial[pt]OR practice guideline[pt]OR feasibility studies[mh]OR clinical protocols[mh]OR single blind[tiab]
#7.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5 AND #6
Limits:human, English, Japanese

[臨床疑問22]参照

定時鎮痛薬の切れ目の痛み(end-of-dose failure)のあるがん患者において,オピオイドの定期投与量の増量・投与間隔の短縮は,増量・投与間隔の短縮をしない場合に比較して,痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,14 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす2 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*[tiab]OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR remifentanil OR oxycodone OR codeine OR dihydrocodeine OR pentazocine OR buprenorphine OR tramadol OR opioid OR opiate OR opioids OR opiates
#4.“end of dose” OR night OR “bed time”
#5.research design[mh]OR clinical trials[mh]OR comparative study[pt]OR placebos[mh]OR multicenter study[pt]OR clinical trial[pt]OR random[tiab]OR placebo[tiab]OR clinical trial[tiab]OR controlled clinical trial[pt]OR randomized controlled trial[pt]OR practice guideline[pt]OR feasibility studies[mh]OR clinical protocols[mh]OR single blind[tiab]
#6.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5
Limits:human, English, Japanese

[臨床疑問23]参照

レスキュー薬の投与で鎮痛効果が不十分な突出痛のある患者において,オピオイドの定期投与量の増量は,増量しない場合に比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,18 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす1 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour *[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati* [tiab]OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR remifentanil OR oxycodone OR codeine OR dihydrocodeine OR pentazocine OR buprenorphine OR tramadol OR opioid OR opiate OR opioids OR opiates
#4.breakthrough OR episodic OR transient OR transitory OR incident OR flare
#5.“dose up” OR “base up” OR “increase dose” OR titration
#6.research design[mh]OR clinical trials[mh]OR comparative study[pt]OR placebos[mh]OR multicenter study[pt]OR clinical trial[pt]OR random*[tiab]OR placebo*[tiab]OR clinical trial*[tiab]OR controlled clinical trial[pt]OR randomized controlled trial[pt]OR practice guideline[pt]OR feasibility studies[mh]OR clinical protocols[mh]OR single blind*[tiab]
#7.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5 AND #6
Limits:human, English, Japanese

[臨床疑問24]参照

突出痛のある患者において,オピオイドに非オピオイド鎮痛薬を併用することは,併用しない場合に比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,28 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。あわせて,臨床疑問12 を参照した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*[tiab]OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.breakthrough OR episodic OR transient OR transitory OR incident OR flare
#4.“non steroid anti inflammatory drug” OR nsaid OR nsaids OR acetaminophen
#5.research design[mh]OR clinical trials[mh]OR comparative study[pt]OR placebos[mh]OR multicenter study[pt]OR clinical trial[pt]OR random*[tiab]OR placebo*[tiab]OR clinical trial*[tiab]OR controlled clinical trial[pt]OR randomized controlled trial[pt]OR practice guideline[pt]OR feasibility studies[mh]OR clinical protocols[mh]OR single blind[tiab]
#6.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5
Limits:human, English, Japanese

  オピオイドによる副作用

悪心・嘔吐

 オピオイドが投与された患者において,悪心・嘔吐が発現した時に有効な治療は何か?

[臨床疑問25]参照

オピオイドが投与され,悪心・嘔吐が発現した患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問26]参照

オピオイドが投与され,悪心・嘔吐が発現した患者に対して,制吐薬は,プラセボに比較して悪心・嘔吐を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,176 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす11件について検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.antiemetic ORlevomepromazine OR haloperidol OR metoclopramide OR domperidone OR prochlorperazine OR ondansetron OR dexamethasone OR serotonin antagonists OR nausea OR vomiting OR emesis OR emetics
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問27]参照

オピオイドが投与され,悪心・嘔吐が発現した患者に対して,オピオイドの変更(オピオイドスイッチング)は,変更しないことに比較して悪心・嘔吐を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,185 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす4 件について検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.opioid switching OR opioid rotation OR dexamethasone OR nausea OR vomiting OR emesis OR emetics
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問28]参照

オピオイドが投与され,悪心・嘔吐が発現した患者に対して,オピオイドの投与経路の変更は,変更しないことに比較して悪心・嘔吐を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,32 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす1 件について検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.opioid OR opiate
#4.switch OR switching OR rotate OR rotation OR substitute OR substitution
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

便 秘

 オピオイドが投与された患者において,便秘が発現した時に有効な治療は何か?

[臨床疑問29]参照

オピオイドが投与され,便秘が発現した患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問30]参照

オピオイドが投与され,便秘が発現した患者に対して,下剤は,プラセボに比較して便秘を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,71 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす5 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.constipation OR sodium picosulfate OR lactulose OR senna OR laxante
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問31]参照

オピオイドが投与され,便秘が発現した患者に対して,オピオイドの変更(オピオイドスイッチング)は,変更しないことに比較して便秘を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,93 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす5 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR codeine OR opioid
#4.opioid switching OR opioid rotation OR constipation OR bowel dysfunction OR laxante
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

眠 気

 オピオイドが投与された患者において,眠気が発現した時に有効な治療は何か?

[臨床疑問32]参照

オピオイドが投与され,眠気が発現した患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった

[臨床疑問33]参照

オピオイドが投与され,眠気が発現した患者に対して,精神刺激薬,コリンエステラーゼ阻害薬,カフェインは,プラセボに比較して眠気を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,19 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす6 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.drowsiness OR drowsy OR sleepiness OR sleepy OR somnolence OR somnolent OR narcosis OR sedation OR sedated
#4.methylphenidate OR donepezil OR modafinil OR pemoline OR caffeine OR “central nervous system stimulants” OR rotat*OR switch*OR substitut*
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問34]参照

オピオイドが投与され,眠気が発現した患者に対して,オピオイドの変更(オピオイドスイッチング)は,変更しないことに比較して眠気を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,19 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす5 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.drowsiness OR drowsy OR sleepiness OR sleepy OR somnolence OR somnolent OR narcosis OR sedation OR sedated
#4.methylphenidate OR donepezil OR modafinil OR pemoline OR caffeine OR “central nervous system stimulants” OR rotat*OR switch*OR substitut*
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問35]参照

オピオイドが投与され,眠気が発現した患者に対して,オピオイドの投与経路の変更は,変更しないことに比較して眠気を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,19 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす1 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas[tiab]OR cancer[tiab]OR carcinoma[tiab]OR tumour[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma[tiab]OR leukemi[tiab]OR leukaemi[tiab]OR lymphoma[tiab]OR malignan[tiab]OR oncolog[tiab]OR metastatiOR metastas
#2.pain[tiab]OR nocicept[tiab]OR neuropath[tiab]OR analgesi[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.drowsiness OR drowsy OR sleepiness OR sleepy OR somnolence OR somnolent OR narcosis OR sedation OR sedated
#4.methylphenidate OR donepezil OR modafinil OR pemoline OR caffeine OR “central nervous system stimulants” OR rotatOR switchOR substitut
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

せん妄

 オピオイドが投与された患者において,せん妄が発現した時に有効な治療は何か?

[臨床疑問36]参照

オピオイドが投与され,せん妄が発現した患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問37]参照

オピオイドが投与され,せん妄が発現した患者に対して,抗精神病薬は,プラセボに比較してせん妄を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,8 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす5 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.delirium OR “cognitive impairment” OR “cognitive disorder” OR “cognitive dysfunction” OR cognitive OR confusion*OR hallucination*OR delusion*OR delirious OR agitat*OR delirious OR “consciousness disorders” OR disorient*OR dysorient*
#4.haloperidol OR risperidone OR aripiprazole OR chlorpromazine OR fluphenazine OR olanzapine OR perospirone OR perphenazine OR pimozide OR quetiapine OR sulpiride OR thioridazine OR trifluoperazine OR zotepine OR tiapride OR levomepromazine OR droperidol OR neurolept*OR “dopamine antagonists” OR rotat*OR switch*OR substitut*
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問38]参照

オピオイドが投与され,せん妄が発現した患者に対して,オピオイドの変更(オピオイドスイッチング)は,変更しないことに比較してせん妄を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,8 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす7 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.delirium OR “cognitive impairment” OR “cognitive disorder” OR “cognitive dysfunction” OR cognitive OR confusion*OR hallucination*OR delusion*OR delirious OR agitat*OR delirious OR “consciousness disorders” OR disorient*OR dysorient*
#4.haloperidol OR risperidone OR aripiprazole OR chlorpromazine OR fluphenazine OR olanzapine OR perospirone OR perphenazine OR pimozide OR quetiapine OR sulpiride OR thioridazine OR trifluoperazine OR zotepine OR tiapride OR levomepromazine OR droperidol OR neurolept*OR “dopamine antagonists” OR rotat*OR switch*OR substitut*
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問39]参照

オピオイドが投与され,せん妄が発現した患者に対して,オピオイドの投与経路の変更は,変更しないことに比較してせん妄を改善するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,8 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす1 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.delirium OR “cognitive impairment” OR “cognitive disorder” OR “cognitive dysfunction” OR cognitive OR confusion*OR hallucination*OR delusion*OR delirious OR agitat*OR delirious OR “consciousness disorders” OR disorient*OR dysorient*
#4.haloperidol OR risperidone OR aripiprazole OR chlorpromazine OR fluphenazine OR olanzapine OR perospirone OR perphenazine OR pimozide OR quetiapine OR sulpiride OR thioridazine OR trifluoperazine OR zotepine OR tiapride OR levomepromazine OR droperidol OR neurolept*OR “dopamine antagonists” OR rotat*OR switch*OR substitut*
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

  がん疼痛マネジメントにおける患者教育

 がん疼痛マネジメントを受けている患者に,疼痛マネジメントについて教育を行うことは有効か?

[臨床疑問40]参照

がん疼痛マネジメントについて患者に教育を行うことで,痛みは緩和するか?

[臨床疑問41]参照

がん疼痛マネジメントについての教育は,どのように行うべきか?

文献データベースOvid MEDLINE(1950〜),Ovid CINAHL(1950〜),医学中央雑誌WEB 版(1983〜)を用いた。文献検索の対象と検索日は,Ovid MEDLINE は1950 年以降〜2007 年3 月17 日(検索日2007 年4 月17 日),Ovid CINAHL は1982〜2007 年4 月23 日(検索日2007 年4 月23 日),医学中央雑誌WEB 版は1983〜2007 年(検索日2007 年4 月23 日)とした。検索語は,「がん」に関連する語は[cancer,malignant,neoplasms,neoplasia,tumor,tumour,癌,がん,腫瘍],「疼痛」は[pain,疼痛,痛み],「患者教育」は[education,intervention,advocate,coaching,needsassessment,program,focus group,knowledge,encouragement,information,management,support,follow up,guidance,教育,介入,アドボケート,患者の権利擁護,コーチング,指導,需要評価,ニーズアセスメント,プログラム,自助グループ,サポートグループ,フォーカスグループ,知識,情報,フォローアップ,ガイダンス]を選択した。検索項目はタイトル,抄録,件名標目(シソーラスの用語)とした。さらにOvid MEDLINE,Ovid CINAHL は,Rochester 大学図書館による検索フィルターを参考に,ランダム化比較試験,メタアナリシスの絞込みを行った。さらにhand search を追加し,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす11 件につき検討した。

  特定の病態による痛みに対する治療

神経障害性疼痛

 がんによる神経障害性疼痛に対する有効な治療は何か?

[臨床疑問42]参照

がんによる神経障害性疼痛のある患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問43]参照

がんによる神経障害性疼痛のある患者に対して,非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,47 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす4 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neopas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*(humans[mh])
#2.neuropathic pain
#3.opioid
#4.randomized controlled trial[pt]OR randomized[tiab]OR placebo[tiab]OR(clinical trials as topic[mesh:noexp])OR(controlled clinical trial[pt])OR randomly[tiab]OR trial[ti]
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese

[臨床疑問44]参照

がんによる神経障害性疼痛のある患者に対して,抗けいれん薬,抗うつ薬,抗不整脈薬,NMDA 受容体拮抗薬,コルチコステロイドは,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

<ガバペンチン>

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,25 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす5 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neopas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.gabapentin
#4.randomized controlled trial[pt]OR randomized[tiab]OR placebo[tiab]OR(clinical trials as topic[mesh:noexp])OR(controlled clinical trial[pt])OR randomly[tiab]OR trial[ti]
#5.humans[mh]
#6.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese

<ガバペンチン以外の抗てんかん薬>

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,19 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす4 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neopas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.opioid
#4.anticonvulsant
#5.randomized controlled trial[pt]OR randomized[tiab]OR placebo[tiab]OR(clinical trials as topic[mesh:noexp])OR(controlled clinical trial[pt])OR randomly[tiab]OR trial[ti]
#6.humans[mh]
#7.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5 AND #6
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese

<抗不整脈薬>

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,30 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす5 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neopas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.opioid
#4.lolal anesthetic agents
#5.randomized controlled trial[pt]OR randomized[tiab]OR placebo[tiab]OR(clinical trials as topic[mesh:noexp])OR(controlled clinical trial[pt])OR randomly[tiab]OR trial[ti]
#6.humans[mh]
#7.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5 AND #6
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese

<抗うつ薬>

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,9 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす2 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neopas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.opioid
#4.antidepressants
#5.randomized controlled trial[pt]OR randomized[tiab]OR placebo[tiab]OR(clinical trials as topic[mesh:noexp])OR(controlled clinical trial[pt])OR randomly[tiab]OR trial[ti]
#6.humans[mh]
#7.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5 AND #6
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese

[臨床疑問45]参照

がんによる神経障害性疼痛のある患者に対して,ある鎮痛補助薬を増量しても効果がない場合,他の鎮痛補助薬への変更や併用は,行わないことに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,86 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす1 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neopas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.randomized controlled trial[pt]OR randomized[tiab]OR placebo[tiab]OR(clinical trials as topic[mesh:noexp])OR(controlled clinical trial[pt])OR randomly[tiab]OR trial[ti]
#4.humans[mh]
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese

骨転移による痛み

 骨転移による痛みに対する有効な治療は何か?

[臨床疑問46]参照

骨転移による痛みのあるがん患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問47]参照

骨転移による痛みのあるがん患者に対して,非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,51 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.opioid OR morphine OR fentanyl OR oxycodone
#4.bone pain OR bone metastasis
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問48]参照

骨転移による痛みのあるがん患者に対して,ビスホスホネート,デノスマブなどのbone-modifying agents(BMA)は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

系統的文献検索は行わずCochrane Library から該当するタイトル1 件を選択した。

膵臓がんなどによる上腹部の痛み

 膵臓がんなどによる上腹部の痛みに対する有効な治療は何か?

[臨床疑問49]参照

膵臓がんなどによる上腹部の痛みのある患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問50]参照

膵臓がんなどによる上腹部の痛みのある患者に対して,非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は,プラセボに比較して痛みを緩和するか??

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,340 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.opioid OR morphine OR fentanyl OR oxycodone
#4.abdominal OR epigastrium OR middle OR upper abdomen OR pancreas cancer
#5.anesthesia OR medication
#6.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問51]参照

膵臓がんなどによる上腹部の痛みのある患者に対して,神経ブロックは,薬物療法に比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,340 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは2 件であった。系統的レビューに含まれる重複する論文は除いた。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.opioid OR morphine OR fentanyl OR oxycodone
#4.abdominal OR epigastrium OR middle OR upper abdomen OR pancreas cancer
#5.anesthesia OR medication
#6.nerve block
#7.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5 AND #6
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

胸部の痛み

 胸部の痛みに対する有効な治療は何か?

[臨床疑問52]参照

胸部の痛みのあるがん患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問53]参照

胸部の痛みのあるがん患者に対して,非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,239 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.opioid OR morphine OR fentanyl OR ocycodone
#4.chest OR thoracic OR back OR mamma OR esophagus OR mediastinum
#5.anesthesia OR medication
#6.#1 AND #2 AND #3 AND #4 AND #5
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問54]参照

胸部の痛みのあるがん患者に対して,神経ブロックは,薬物療法に比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,239 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.chest OR thoracic OR back OR mamma OR esophagus OR mediastinum
#4.opioid OR morphine OR fentanyl OR ocycodone
#5.anesthesia OR medication
#6.block OR cordotomy OR ablation
#7.#1 AND #2 AND #3 AND #4
#8.#1 AND #2 AND #4 AND #5
#9.#1 AND #2 AND #3 AND #6
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

直腸がんなどによる会陰部の痛み

 直腸がんなどによる会陰部の痛みに対する有効な治療は何か?

[臨床疑問55]参照

直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問56]参照

直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して,非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,301 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.block OR anesthesia
#4.rectal OR pelvis OR pelvic OR perineal OR perineum OR anal OR anus OR perianal OR genital OR genitalia OR urogenital OR lumbosacral OR sacral OR coccygeal OR saddle
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問57]参照

直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して,神経ブロックは,薬物療法に比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,301 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす1 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.block OR anesthesia
#4.rectal OR pelvis OR pelvic OR perineal OR perineum OR anal OR anus OR perianal OR genital OR genitalia OR urogenital OR lumbosacral OR sacral OR coccygeal OR saddle
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

悪性腸腰筋症候群による痛み
(腸腰筋へのがんの浸潤・転移に伴って起こる鼠径部・大腿・膝の痛み)

 悪性腸腰筋症候群による痛みに対する有効な治療は何か?

[臨床疑問58]参照

悪性腸腰筋症候群による痛みのあるがん患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問59]参照

悪性腸腰筋症候群による痛みのあるがん患者に対して,非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,3 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.psoas syndrome OR malignant psoas syndrome
#4.#1 AND #2 AND #3
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問60]参照

悪性腸腰筋症候群による痛みのあるがん患者に対して,筋弛緩薬は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,3 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.psoas syndrome OR malignant psoas syndrome
#4.#1 AND #2 AND #3
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

[臨床疑問61]参照

悪性腸腰筋症候群による痛みのあるがん患者に対して,神経ブロックは,薬物療法に比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,3 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.psoas syndrome OR malignant psoas syndrome
#4.#1 AND #2 AND #3
Limits:1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese,

clinicaltrial/Meta-analysis/Randomized controlled trial/Controlled
clinical trial

消化管閉塞による痛み

 消化管閉塞による痛みに対する有効な治療は何か?

[臨床疑問62]参照

消化管閉塞による痛みのあるがん患者に対して,行うべき評価は何か?

文献検索は行わなかった。

[臨床疑問63]参照

消化管閉塞による痛みのあるがん患者に対して,非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,16 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たすものは0 件であった。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR opioid OR opiate OR pentazocine OR buprenorphine OR tramadol OR codeine
#4.Intestinal obstruction OR((bowel OR intestine OR gastrointestinal OR colon OR colorectal OR retrosigmoid) AND(obstruct OR blockage))
#5.#1 AND #2 AND #3 AND #4
Limits:Publication Date from 1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese, All Adult:19+years

[臨床疑問64]参照

消化管閉塞による痛みのあるがん患者に対して,消化管分泌抑制薬(オクトレオチド酢酸塩,ブチルスコポラミン臭化物)は,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,12 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす3 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*ORmetastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.somatostatin OR octreotide
#4.scopolamine butylbromide” OR “hyoscinebutylbromide” OR “Butylscopolammonium Bromide”
#5.Intestinal obstruction OR((bowel OR intestine OR gastrointestinal OR colon OR colorectal OR retrosigmoid)AND(obstruct OR blockage))
#6.#1 AND #2 AND #5 AND(#3 OR #4)
Limits:Publication Date from 1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese, All Adult:19+years

[臨床疑問65]参照

消化管閉塞による痛みのあるがん患者に対して,コルチコステロイドは,プラセボに比較して痛みを緩和するか?

以下の検索式でPUBMED を検索したところ,12 件が該当した。これに加えて,hand search,Cochrane Library の該当項目,既存のガイドラインなどの引用文献のうち,臨床疑問に関連し,適格基準を満たす3 件につき検討した。

#1.neoplasms[mesh:exp]OR neoplas*[tiab]OR cancer*[tiab]OR carcinoma*[tiab]OR tumour*[tiab]OR tumor[tiab]OR tumors[tiab]OR adenocarcinoma*[tiab]OR leukemi*[tiab]OR leukaemi*[tiab]OR lymphoma*[tiab]OR malignan*[tiab]OR oncolog*[tiab]OR metastati*OR metastas*
#2.pain*[tiab]OR nocicept*[tiab]OR neuropath*[tiab]OR analgesi*[tiab]OR pain[mesh: exp]OR analgesics[mesh:exp]OR analgesia[mesh:noexp]
#3.morphine OR fentanyl OR oxycodone OR opioid OR opiate OR pentazocine OR buprenorphine OR tramadol OR codeine
#4.Adrenal Cortex Hormones OR(17-ketosteroids OR androstenedione OR androsterone OR(estrone next sulphate)OR etiocholanolone OR prasterone OR dehydroepiandrosterone OR hydroxycorticosteroids OR(11 next hydroxycorticosteroid)OR 17-hydrocorticosteroids OR deoxycorticosterone OR deoxycorticosterone OR pregnenolone OR corticosteroids OR hydrocortisone OR budesonide OR prednisolone OR methylprednisolone OR efcortesol OR hydrocortisone OR(solu next cortex)OR budesonide OR entocort*OR budenofalk OR(deltacortril next enteric)OR equllenin OR 18-hydroxycorticosterone OR aldosterone OR corticosterone OR hydrocortisone OR hydrocortisone OR tetrahydrocortisol OR tetrahydrocortisol OR cortisone OR cortodoxone)
#5.Intestinal obstruction OR((bowel OR intestine OR gastrointestinal OR colon OR colorectal OR retrosigmoid)AND(obstruct OR blockage))
#6.#1 AND #2 AND #4 AND #5
Limits:Publication Date from 1995/01/01 to 2008/07/31, Humans, English, Japanese, All Adult:19+years

(篠原明子、有賀悦子)

2.2014 年版の検索式

2010 年版の検索式を用いて,2008 年から2012 年12 月まで期間を延長して検索を行った。ただし,新規に追加した薬剤が含まれる臨床疑問については,2010 年版の検索式に新規の薬剤名を追加し,2000 年から2012 年12 月まで期間を拡大して各執筆者が検索を行うこととした。詳細の検索結果は記載しない。

(余宮きのみ,森田達也)


3.今後の検討課題

1.2010 年版での今後の検討課題

以下の案件については2010年版のガイドラインの作成過程において,議論したが収束できなかったためか,取り上げられたが十分な議論を行う時間がなかったため,次回の改訂の際に再度検討することとした。「背景知識」では,用語の統一に関するいくつかの議論が不十分であり,今後,日本ペインクリニック学会などの関連学会とも協力したうえで用語の整理を行う必要がある。「推奨」では,詳細を具体的に記載できなかった項目で,エビデンスが不十分であったため,これらの領域の臨床研究を推進する必要がある。

❶ 2010 年版のガイドラインでは,対応しなかったことについて
  • いわゆるトータルペインとしての痛みの評価や対応を検討すること
  • 患者・家族との痛みに関するコミュニケーションについて事項を検討すること
  • 緩和ケアを担当する医師と,がんの治療にあたる医師など緩和ケアを専門としない医師,看護師,薬剤師などの連携やチーム医療についての項目を検討すること
  • 特に在宅医療での疼痛治療について検討すること
  • ダイジェスト版などより簡便な普及版を作成すること
  • 個々の薬剤の具体的な使用方法を詳細に,簡便に記載すること
  • ガイドラインに基づく診療の質を評価する方法(clinical indicator)を作成すること
  • 日本緩和医療学会の提示している他の事業で使用されている疼痛ガイドラインとの整合性について詳細な記載をすること
  • 推奨の強さとエビデンスレベルの評価のプロセスの詳細を記載すること
❷ 背景知識,用語の定義について
  • 「疼痛」と「痛み」の区別について詳細に検討すること
  • 「がん疼痛」と「がん性疼痛」の区別について詳細に検討すること
  • 「がん疼痛」の分類(「がんによる疼痛」や「がん自体による疼痛」の表記など)と,がん疼痛がどの範囲を指すのかについて詳細に検討を行うこと
  • Oncology emergency の最も適切な日本語訳について詳細の検討を行うこと
  • 突出痛のサブタイプの分類と,「随伴痛」,「体動時痛」の定義についてより詳細に検討すること
  • 突出痛のうち,痛みの誘因のないもの(誘因のない突出痛,spontaneous pain)の日本語訳を詳細に検討すること
  • End-of-dose failure の日本語訳として,「定時鎮痛薬の・定期鎮痛薬の」「切れ際の・切れ目の」「痛み・疼痛」の組み合わせのいずれが最も適切かを詳細に検討すること
  • End-of-dose failure を突出痛として扱うべきか,持続痛として扱うべきかをさらに詳細に検討すること
  • 臨時追加投与量の記載方法が,「臨時追加投与量(レスキュー・ドーズ)」,「レスキュー・ドーズ」などいずれが適切かについて詳細に検討すること
  • 「蠕動痛」と「疝痛」の異同について詳細に検討すること
  • 「痛みの包括的評価」といった場合に,精神的,社会的,スピリチュアルな苦痛の検討を含める点にまで言及するかを検討すること,および,「痛みの包括的評価」という表現を見直してより適切な表現に修正すること
  • 痛みの性状の表現として,「灼けるような」,「ビーンと走るような」,「槍で突きぬかれるような」以外の表現について盛り込むこと
  • 痛みを評価するための複数の尺度や方法のうちどの使用を推奨するかを明確に記載すること
  • オピオイドの大量投与に伴って生じる痛覚過敏を含む症候群(paradoxical pain,opioid-induced neurotoxicity,opioid hyperalgesia など)の診断基準を明記すること
  • 「疼痛治療」と「疼痛マネジメント」の定義について詳細を検討すること
  • オピオイドローテーション,オピオイドの変更,opioid switching のいずれの用語が適切であるかを詳細に検討すること
  • 「共通する疼痛治療」を便宜的に置いたことの妥当性を詳細に検討すること
  • 悪性腸腰筋症候群を個別に扱う意義について詳細に検討すること
  • 腎不全,透析患者に対するオピオイドの選択や使用方法を具体的に記載すること
  • ブプレノルフィン,ペンタゾシンなど,本ガイドラインの推奨で触れなかったオ
  • ピオイドについての詳細を記載すること
❸ 今後の検討や,新たな研究の必要なこと
  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を効果不十分なため変更する時の,具体的なNSAIDs の種類と,変更回数について記載すること
  • オピオイド未投与の患者に,フェンタニル貼付剤を投与する対象や適応などについて記載すること
  • オピオイドを開始する時に,下剤を併用し便秘を予防するより具体的な方法について記載すること
  • オピオイドを開始する時に,制吐薬を併用し悪心・嘔吐を予防するより具体的な方法について記載すること
  • オピオイドで適切な鎮痛効果が得られない時,オピオイドとコルチコステロイドが有効である,患者の特性,病態,痛みの性状,特徴について詳細を記載すること
  • 定時鎮痛薬の切れ目の痛み(end-of-dose failure)のある患者に対して,どのような治療を行うか,より具体的に記載すること
  • オピオイドを開始後に,悪心・嘔吐がある患者に対して,想定される病態に応じて制吐薬を投与することは,一律に同一の制吐薬を投与することと比較して,悪心・嘔吐を改善するかを検討すること
  • 便秘の定義について詳細に検討し,操作的な定義を記載すること
  • オピオイドを開始後に,せん妄がある患者に対して,抗精神病薬を投与することの推奨度を検討すること
  • 神経障害性疼痛に対して,鎮痛補助薬を投与することの推奨度を検討すること
  • 神経障害性疼痛に対して,鎮痛補助薬が有効である,患者の特性,病態,痛みの性状,特徴を記載すること
  • 神経障害性疼痛に対して,鎮痛補助薬を投与後に,効果不十分であった場合に,鎮痛補助薬を変更,増量,併用することの臨床的妥当性を記載すること・消化管閉塞による痛みのある患者に対して,NSAIDs が有効であるかを記載すること
2.2014 年版での新たな検討課題
❶ 今回のガイドラインでは,対応しなかったことについて
  • 無作為化比較試験で効果なしと報告された,ケタミンの鎮痛補助薬としての推奨について詳細な検討を行うこと

(余宮きのみ,森田達也)


4.海外他機関による疼痛ガイドラインの抜粋

本ガイドラインでは,がん疼痛に関して,学会またはそれに準じる組織が作成・承認している英文のガイドラインをガイドラインプールとしたガイドラインプール・リスト参照)

そのなかから,作成プロセスの方法論が述べられており,臨床的に有意義と思われる8 編を選択し,それらの記載のうち薬物療法に関連する基本的な部分(特に推奨レベルが記載された部分),臨床的に意義のあると思われる部分(他の専門家に相談するために知っておくべきことなど)を抜粋し適宜補足して,参考となるように以下に要約した。

1.成人のがん疼痛:NCCN の臨床ガイドライン(Web, 2012)
  • National Comprehensive Cancer Network(NCCN)のパネルメンバーにより作成されたコンセンサス・レポートで,推奨カテゴリーはすべて[2A]である(推奨カテゴリーは[1,2A,2B,3]の4 段階で,[2A]は「臨床経験を含むやや低いレベルのエビデンスに基づき,推奨が適切であるという点でNCCN 内のコンセンサスが統一している」とされる)。疼痛重症度による治療アルゴリズム(図1)を示している点,個別的な多様性を認めたうえで具体的な処方量や増量のタイミングなどを例示している点を特徴とする。疼痛治療(緩和ケア)が,がん患者の生存率に影響するというエビデンスが得られてきており,がん治療の治療効果を最大限に得るためにも痛みのコントロールは重要であると強調している。
1)包括的評価
  • 痛みの重症度をNRS などを使用して評価する。さらに,痛みの部位,生活への支障,時間因子(発症時期,発症からの経過,持続痛か突出痛か),性状(電気が走るようなど),増悪因子と軽快因子,併存症状,現在の疼痛治療とその効果などを評価する。
2)NSAIDs とアセトアミノフェン
  • 患者が効果を実感する薬剤のいずれかを使用する。一般には,イブプロフェン400 mg/回,4 回/日(最大3,200 mg/日),または,アセトアミノフェン650 mg を4 時間毎または1,000 mg を6 時間毎(最大4,000 mg/日)を使用する。肝機能障害の懸念からオピオイドとの合剤は推奨されず,FDA の最近の推奨は3,000 mg/日以下となっている。選択的COX-2 阻害薬は,血小板機能に影響がなく,消化管の影響も少ないが,腎機能障害を軽減することは示されていない。
3)オピオイド
  • 非オピオイド鎮痛薬を上限量使用時,またはNRS 4 以上の時,オピオイドを開始する。突出痛(体動時痛を含む),定時服用前の疼痛増悪の時などに,経口レスキュー薬として1 日量の10〜20%量の速放性製剤を必要時1 時間以上あけて服用し,直近24 時間の使用量をもとに至適量を決定して増量する。増量の速さは重症度により異なる(図1)。
  • トラマドールの推奨量は,50〜100 mg/回,4 回/日(最大400 mg/日)だが,最大用量を用いた場合でもその鎮痛効果はモルヒネなどの強オピオイドよりは弱いことに留意が必要である。
  • オピオイドスイッチングの際,疼痛コントロールが良好だった場合は交差耐性が不完全である可能性を考慮して計算上等力価の換算量より25〜50%減量し,コントロール不良だった場合は25%増量,または同等量で開始する。ブプレノルフィン,ペンタゾシンは推奨されない。
  • フェンタニル貼付剤の使用は,痛みが不安定な場合は推奨されない。増量は2〜3 日の定常状態後のレスキュー薬の使用量をもとに決定する。オピオイドスイッチングの際は,個人差が大きいので適宜調整が必要である。
  • フェンタニル粘膜吸収剤によるレスキュー薬は,他のオピオイドとの換算比はなく,常に最少量から開始することが望ましい。
  • メサドンの使用は,専門家への相談のもとに行うべきである。半減期が長く,個人差が大きいこと,モルヒネの投与量が増えると換算比が変わってくること,モルヒネからメサドンへの換算比をそのままメサドンからモルヒネへの換算比としては使用できないこと,QTc 延長の副作用があることなどに留意すべきである。

図1 疼痛重症度とオピオイド使用の有無による治療アルゴリズム

〔NCCN ガイドラインより改変〕

4)オピオイドの副作用対策
  • オピオイドの副作用のうち便秘以外は一般に耐性が生じるが,副作用が継続し難治性の場合は,他の原因を除外したうえでオピオイドスイッチングを検討する。
  • 便 秘:センナなどの大腸刺激薬を使用し,飲水・食物繊維の摂取や運動を促して便秘を予防する。他にマグネシウム剤,ビサコジル剤,ラクツロース,メトクロプラミドなどで治療する。

  • 悪 心:オピオイド処方時には制吐薬(プロクロルペラジン,ハロペリドール,メトクロプラミドなど)を頓用処方し,いつでも使用できるようにする。

  • せん妄:ハロペリドール(0.5〜2 mg を4〜6 時間毎に経口/静注)またはその他の抗精神病薬(オランザピン2.5〜5 mg 経口/舌下,リスペリドン0.25〜0.5 mg 経口)で治療する。

  • 呼吸抑制:意識障害が生じる場合,ナロキソン(生理食塩水で希釈し,0.04〜0.08 mg を30〜60 秒毎に,症状が改善するまで繰り返す)で対応する。オピオイドの半減期はナロキソンの半減期より長いので注意する。10 分以内に1 mg 使用しても意識が戻らない場合は別の原因を考える。

  • 眠気・鎮静:カフェイン,メチルフェニデート,dextroamphetamine,モダフィニルなどの併用,オピオイドの減量,頻回分割投与などを試みる。

5)神経障害性疼痛に対する鎮痛補助薬
  • 神経障害性疼痛に対する鎮痛補助薬としては,抗うつ薬と抗けいれん薬が第一選択である。
  • 抗うつ薬:一般に,うつ病の治療の場合より比較的少量で効果があり効果出現も早い。オピオイドとの併用で,三環系抗うつ薬を低用量で開始し,抗コリン作用による副作用に注意しながら3〜5 日毎に増量する(例えばノルトリプチリン10〜25 mg を就寝前で開始し,50〜150 mg まで増量する)。いくつかの抗うつ薬,特にSSRI はCYP2D6 の抑制により肝代謝の薬物の代謝に影響を与えることが明らかになっており,留意が必要な薬物相互作用も報告されている。

  • 抗けいれん薬:オピオイドと併用で,ガバペンチン100〜300 mg 就寝前で開始し,3 日毎に900〜3,600 mg(分2〜3)まで増量するが,高齢者・腎不全症例では注意が必要である。プレガバリンでは150 mg(分3)より開始し,300 mg(分3)まで増量する。

  • コルチコステロイド:緊急性の高い激痛や骨・神経叢が障害されたことによる激痛の場合に有用とされる。

6)病態による薬剤の選択
  • 炎症に伴う痛みにはNSAIDs またはコルチコステロイド, 骨転移痛にはNSAIDs・放射線治療・神経ブロック・ビスホスホネート・感受性がある場合には内分泌療法や化学療法・コルチコステロイドなど,神経圧迫にはコルチコステロイド,神経障害性疼痛には抗うつ薬・抗けいれん薬を使用する。
7)薬物療法以外の対応
  • 理学療法的なサポート(理学療法,日常生活動作のサポート,マッサージ,温寒刺激,鍼灸など),精神的なサポート(イメージ療法,リラクセーション,認知行動療法,スピリチュアルケアなど)を行う。
  • 神経ブロックで鎮痛効果の可能性がある場合(膵臓がん,上部消化器がんの腹腔神経叢ブロックや,肋間神経ブロックなど)や,オピオイド治療で鎮痛効果を得るのが困難な場合,インターベンション治療を相談する。
2.がん疼痛に対するオピオイドの使用:エビデンスに基づいたEAPC の推奨(Lancet Oncol, 2012)
  • European Palliative Care Research Collaborative(EPCRC)の専門家作業部会が,既存のEuropean Association for Palliative Care(EAPC)ガイドラインを他のガイドラインと比較して再検討し,システマティックレビューによるエビデンスレベルに従って作成した推奨文である。
  • WHO ステップ2 のオピオイド:軽度から中等度の痛み,または,アセトアミノフェンやNSAIDs で十分除痛できない痛みに,ステップ2 の経口オピオイドを追加することで,重篤な副作用もなく適切な除痛が得られる。コデインやトラマドールの代わりに,ステップ3 のオピオイドを低用量で使用してもよい[弱い推奨]。

  • WHO ステップ3 でのオピオイドの第一選択:経口のモルヒネ,オキシコドン,hydromorphone 間に明らかな差はないので,中等度以上のがん疼痛に対し,いずれかを第一選択薬として使用する[弱い推奨]。

  • メサドン:薬物動態は複雑で,半減期は長い。専門家のみが,中等度以上のがん疼痛に対し,ステップ3 の第一選択薬あるいはその次の選択薬として使用する[弱い推奨]。

  • ステップ3 のオピオイドに追加するアセトアミノフェンやNSAIDs の役割:鎮痛効果を高めるため,あるいは鎮痛に必要なオピオイドの量を減らすため,ステップ3 のオピオイドにNSAIDs を追加する。しかし,NSAIDs の使用は重大な副作用を伴うリスクがあるので,特に,高齢者や腎不全,肝不全,心不全の患者では使用を制限する。アセトアミノフェンは,NSAIDs より副作用が少ないことで,ステップ3 のオピオイドと一緒に好んで使われるが,その有効性についての根拠は十分ではない[弱い推奨]。

  • オピオイドスイッチング:ステップ3 のオピオイドを使用しても,十分な鎮痛が得られない,副作用が重篤で難治性である,またはその両方である患者では,他のオピオイドへ変更する[弱い推奨]。

  • オピオイドの投与経路:皮下投与は,簡便でありかつ効果的な方法で,経口投与や経皮投与(貼付剤)ができない患者の第一選択となる。持続静注は,皮下投与が禁忌の時(例えば,投与量が多い・末梢浮腫・凝固異常など),早急に疼痛コントロールが必要な時に使われる[強い推奨]。

    持続静注や持続皮下注は,経口投与や経皮投与で十分な鎮痛が得られない患者に使われる。自分でコントロールができる患者は,持続静注または持続皮下注による自己調節鎮痛法(PCA)を選択できる。直腸内投与は効果的であるが,不快で適切でないことも多いため第二選択とする。貼付剤は,嚥下困難な患者に経口オピオイドの代わりに,ステップ3 で優先的に使われる。経口/非経口投与のオピオイド・非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛が得られない,あるいは副作用の強い患者に対して,オピオイドを局所麻酔あるいはクロニジンと併用して,硬膜外やクモ膜下へ投与することを検討する[弱い推奨]。

  • オピオイドによる悪心と便秘,その他の副作用:オピオイドによる嘔吐のある患者に,抗ドーパミン薬(例えばハロペリドール)や複数の作用をもつ薬剤(例えばメトクロプラミド)を使用する[弱い推奨]。オピオイドによる便秘の管理あるいは予防として緩下薬を定期的に使用する。どの緩下薬が優れているかというエビデンスはない。難治性の便秘に対し,異なる作用の薬剤の併用は効果がある。通常の緩下薬で効果がない場合,methylnaltrexone の皮下投与を考慮する[強い推奨]。オピオイドによる鎮静の改善にはメチルフェニデートを使用することができるが,治療域が狭く注意が必要である。オピオイドによるせん妄,幻覚,ミオクローヌス,痛覚過敏のある患者では,減量やオピオイドスイッチングを考慮する[弱い推奨]。

  • 突出痛:突出痛は,経口の速放性製剤,あるいはフェンタニルの口腔・鼻粘膜投与で対応できる。フェンタニルの口腔・鼻粘膜投与のレスキュー薬は,即効性があり効果持続時間も短いため経口の速放性製剤より好まれる[強い推奨]。速放性製剤は,突出痛が起こると予想される20〜30 分前に予防的に使用する[弱い推奨]。

  • 神経障害性疼痛:神経障害性疼痛を伴うがん患者で,オピオイドの鎮痛効果が十分でない場合,鎮痛補助薬のアミトリプチリンあるいはガバペンチンの使用を考慮する[強い推奨]。オピオイドと併用すると,中枢神経系への副作用を引き起こすことがあるため,オピオイドや鎮痛補助薬の量に注意する[強い推奨]。

  • 腎不全患者でのオピオイド:高度の腎機能障害の患者(eGFR<30 mL/min)では,フェンタニルあるいはブプレノルフィンの経静脈投与もしくは皮下投与を第一選択とし,低用量から開始し,注意深く至適量を決めていく。代替として,短期間であればモルヒネの量や投与回数を減らして対応することもある[弱い推奨]。

3.がん疼痛のマネジメント:ESMO の臨床ガイドライン(Ann Oncol, 2012)
  • European Society for Medical Oncology(ESMO)Guidelines working group が作成したがん疼痛に関するガイドラインである。2011 年版以降エビデンスレベルと推奨レベルが併記され,2012 年版では放射線治療や神経ブロックについて詳細に触れられている。
  • American Society of Clinical Oncology(ASCO)で使用されているエビデンスレベル[Ⅰ〜Ⅴに分類]と推奨レベル[A〜D に分類]を用いている。
  • 痛みの評価:痛みの強度と治療効果は適切な指標(VAS,VRS,NRS)を用いて定期的に評価する[Ⅴ,D]。認知機能の障害された患者では,痛みに起因する表情,体動,発声などで代用する(専門家,パネルコンセンサス)。心理社会的苦痛の評価も行う[Ⅱ,B]。

  • 痛みのマネジメント原則:痛みとそのマネジメントについて患者に十分な情報を提供し,疼痛治療に積極的に参加するよう奨励する[Ⅱ,B]。慢性痛にはレスキュー薬対応ではなく定時鎮痛薬を基本とする[Ⅴ,D]。鎮痛薬の投与経路は経口を第一選択とする[Ⅳ,C]。突出痛には定時鎮痛薬に加えてレスキュー薬を処方する[Ⅴ,D]。

  • 痛みの管理:WHO 方式がん疼痛治療法の除痛ラダーに基づき痛みの程度に応じて鎮痛薬を選択する[Ⅱ,B]。

  • 軽度の痛み:アセトアミノフェン・NSAIDs が有効である[Ⅰ,A]。両者は禁忌でなければ,痛みの程度によらず一定期間有効である[Ⅰ,A]。

  • 軽度から中等度の痛み:弱オピオイド(コデイン,トラマドール,ジヒドロコデインなど)と非オピオイド鎮痛薬を併用する[Ⅲ,C]。弱オピオイドの代替薬として低用量の強オピオイドも考慮する[Ⅲ,C]。

  • 中等度から高度の痛み:オピオイドの第一選択は経口モルヒネである[Ⅳ,D]。モルヒネの経口投与と静脈内投与での鎮痛力価は1:2〜1:3[Ⅱ,A]で,皮下投与も同様である[Ⅳ,C]。腎機能障害患者(CKD)においてはすべてのオピオイド使用に際し減量や投与間隔の延長を考慮する[Ⅳ,C]。慢性腎臓病stage 4 または5(eGFR<30 mL/min)の患者において,フェンタニルとブプレノルフィンの貼付剤と注射剤は最も安全なオピオイドである[Ⅳ,C]。

  • 増量スケジュール:短時間作用型のモルヒネを4 時間毎に投与し,突出痛にはレスキュー薬を併用して調節する[Ⅳ,C]。レスキュー薬の総使用量を考慮のうえ,定期投与のモルヒネ徐放性製剤の至適量を調節する[Ⅳ,C]。

  • 副作用の対処:緩下薬はオピオイドによる便秘の予防と管理に定期的に用いる[Ⅰ,A]。メトクロプラミドと抗ドーパミン薬はオピオイドに由来する悪心・嘔吐の治療に使用する[Ⅲ,B]。

  • 突出痛:ベースの痛みがコントロールされている場合はオピオイド速放性製剤を用いる[Ⅰ,A]。体動時痛や嚥下時痛などが予想される突出痛には,20 分以上前にモルヒネの速放性製剤を経口投与する[Ⅱ,A]。経口モルヒネと比べ,静注オピオイド,バッカル・舌下・経鼻粘膜吸収型フェンタニルは効果発現が早い[Ⅰ,A]。

  • 骨痛の治療:痛みの有無にかかわらず骨転移の治療薬の選択肢としてビスホスホネートを考慮する[Ⅱ,B]。デノスマブ(抗RANKL モノクローナル抗体)は固形がんの骨転移疾患に対して,痛みなどの骨関連事象発現を遅延できる治療薬としてビスホスホネートの代替となる[Ⅰ,A]。いずれの製剤もその投与前には歯科受診が必要である[Ⅲ,A]。

  • 神経障害性疼痛:非オピオイド鎮痛薬とオピオイドを組み合わせ投与する[Ⅲ,B]。副作用に注意して三環系抗うつ薬または抗けいれん薬を投与する[Ⅰ, A ](図2)。骨転移による神経障害性疼痛には20 Gy 5 分割の放射線照射を考慮する[Ⅰ,B]。

  • 放射線治療:すべての骨転移痛に8 Gy 単回照射を考慮する[Ⅰ,A]。高用量・分割照射については適応を検討する[Ⅱ,B]。早期の診断・加療は転移性脊髄圧迫の経過に大きく影響する[Ⅰ,A]。転移性脊髄圧迫の治療は放射線照射単独とし,手術療法については適応を検討する[Ⅱ,B]。転移性脊髄圧迫への照射回数は少なくし[Ⅰ,A],生命予後が長い場合は多分割照射も考慮する[Ⅲ,B]。転移性脊髄圧迫の治療にはコルチコステロイドを用いる[Ⅱ,A]。放射性同位元素治療は多発造骨性の骨転移の症例に選択される[Ⅱ,C]。

  • 難治性疼痛への侵襲的治療:専門家に相談のうえ,脊髄鎮痛法(硬膜外鎮痛法,クモ膜下鎮痛法)の適応を考慮する[Ⅱ,B](図3)。腹腔神経叢ブロックは膵臓がんの痛みに有効で安全な手技であり,施行後6 カ月間は標準鎮痛治療より有効である[Ⅱ,B]。

図2 神経障害性疼痛の評価と治療

〔ESMO ガイドラインより一部改変〕

図3 難治性がん疼痛へのクモ膜下注入

〔ESMO ガイドラインより一部改変〕

4.経口モルヒネの副作用対策:エビデンスに基づいたESMO のレポート(JCO, 2001)
  • European Association for Palliative Care(EAPC)の専門家作業部会が作成したオピニオンレポートである。
  • オピオイド使用時に副作用が出現した際は,他の原因との鑑別診断が重要である。①中枢神経性(脳転移,髄膜播種,脳血管障害,硬膜外出血),②代謝性(脱水,高カルシウム血症,低ナトリウム血症,腎不全,肝不全,低酸素血症),③敗血症/感染症,④消化管閉塞,⑤医原性(三環系抗うつ薬・ベンゾジアゼピン・抗菌薬・コルチコステロイド・NSAIDs などの薬剤性,化学療法,放射線治療)を除外診断する。
  • 副作用の対応として,①オピオイドの減量,②副作用に対する対症療法の強化,③オピオイドスイッチング,④投与経路の変更,を検討する。
  • ①のオピオイドの減量に関しては,疼痛緩和が良好で副作用が軽度から中等度の場合は,20〜50%の減量を検討する。それ以外の場合は,痛みの原因に対する化学療法・放射線治療,神経ブロック,非オピオイド鎮痛薬や鎮痛補助薬の併用により,減量が可能か検討する。
  • ②の副作用に対する対症療法の強化としては,以下のように,個々の症状に対応する。
  • 悪心・嘔吐(経口モルヒネ服用者の15〜30%で生じる)は,メトクロプラミド,ハロペリドール,プロクロルペラジン,ジメンヒドリナート,オンダンセトロンなどが推奨される。モルヒネの皮下投与への変更で悪心・嘔吐が減少する場合がある。
  • 便秘(経口モルヒネ服用者の40〜70%で生じる)は,代謝性疾患(糖尿病,高カルシウム血症,低ナトリウム血症,尿毒症,甲状腺機能低下症),脱水,高齢,活動量の低下,食物繊維摂取の低下,利尿薬などの薬剤で増悪する。センナ,ビサコジル,ラクツロースの投与が推奨される。
  • 眠気(経口モルヒネ服用者の20〜60%で生じ,用量依存性である)は,皮下投与への変更やオピオイドスイッチングで改善する場合がある。
  • 軽度の認知障害(オピオイドの開始時・増量時に生じやすく,用量依存性である)は,ハロペリドールが治療薬として推奨されるが,オピオイドスイッチングで改善する可能性がある。
5.突出痛:EAPC のコンセンサスレポート(Cancer, 2002)
  • European Association for Palliative Care(EAPC)の専門家作業部会が作成したコンセンサスレポートである。
  • 突出痛はオピオイドを含む鎮痛薬を使用しても40〜80%の高頻度に出現する。
  • 突出痛では,痛みの強さ,頻度,持続時間,性質,増悪因子や軽快因子を正確に評価する必要がある。突出痛の治療には,背景にある痛みの状態に応じて分類する図4 の評価アルゴリズムが有用である。
  • 突出痛の治療では,①オピオイドの量や投与スケジュールの見直し,②鎮痛補助薬の併用,③定期投与の増量や投与間隔の短縮,④レスキュー薬の調整,⑤活動方法の見直しを検討する。
  • 原因に対する治療として,ホルモン療法,化学療法,放射線治療,外科治療,コルセットを検討する。
  • 神経障害性疼痛の薬物療法には,図5 の治療アルゴリズムが提唱されている。痛みの性質では特定の薬剤の効果は予測できないことが示唆されているが,アルゴリズムでは便宜的に,「灼熱痛」(burning pain)には抗うつ薬,「電撃痛」(lancinating pain)には抗けいれん薬と示されている。その他,病態や副作用により,NSAIDs,アセトアミノフェン,コルチコステロイド,オピオイドを使用し,ビスホスホネート,ケタミン,抗不整脈薬などを組み合わせる。
  • 経口投与の場合,効果が最大になるのは投与後概ね60 分であるため,突発的に発症し持続しない痛みの治療には不適である。皮下投与は,静脈内投与より効果発現が遅い。

図4 突出痛の評価アルゴリズム

〔EAPC ガイドラインより一部改変〕

図5 神経障害性疼痛の治療アルゴリズム

〔EAPC ガイドラインより一部改変〕

6.がん疼痛におけるモルヒネと代替オピオイド:EAPC の推奨(BJC, 2001)
  • European Association for Palliative Care(EAPC)が作成した,モルヒネに関する推奨である([A]:質のよい1 つ以上の無作為化比較試験に基づく。[B]:よくデザインされた臨床研究に基づく。[C]:専門家委員会の報告や意見,またはエキスパートの臨床経験に基づく)。
  • 中等度から重度のがん疼痛に対する第一選択はモルヒネであり[C],最適な投与経路は経口で,徐放性製剤(維持用)と速放性製剤(レスキュー薬)の2 種類が必要である[C]。
  • 最も簡便な至適量の調整法は,4 時間毎にモルヒネ速放性製剤を経口投与し,疼痛時にも同量を経口投与する方法である。レスキュー薬は1 時間あけて必要時何度でも経口投与し,毎日,必要量を調整していく[C]。就寝前に2 倍量経口投与するのは,夜間の突出痛を防ぐ簡便で有効な方法である[C]。
  • 徐放性製剤服用時刻の前に痛みが増悪する場合は,徐放性製剤を増量する。種々のモルヒネ徐放性製剤があるが,持続時間や鎮痛効果に優劣の差はない[A]。徐放性製剤で安定した鎮痛効果が得られていても,突出痛に対してレスキュー薬が必要である[A]。
  • 経口投与が困難な場合は,代替経路として皮下投与に変更する。筋肉内投与は推奨されない[C]。静脈内投与が推奨されるのは,静脈カテーテルが留置されている場合,全身性浮腫がある場合,持続皮下注により発赤・痛み・膿瘍が生じた場合,凝固異常がある場合,末梢循環不全の場合である[C]。口腔粘膜下,舌下,吸入でのモルヒネ投与は推奨されない[B]。
  • 経口投与と皮下投与の鎮痛力価の比は,1:2〜1:3 である(モルヒネ経口投与20〜30 mg がモルヒネ皮下投与10 mg に相当する)[C]。経口投与と静脈内投与の鎮痛力価の比も,1:2〜1:3 である[A]。
  • 経口モルヒネ使用時に副作用のため十分な鎮痛効果が得られない場合は,オピオイドの変更や投与経路の変更を検討する[B]。オキシコドンは経口モルヒネの代替薬として有用である[A]。フェンタニル貼付剤は,必要量が安定している場合には,モルヒネの代替薬として有用である[B]。
  • これらモルヒネ代替薬の適切な使用にもかかわらず副作用が強く鎮痛効果が得られない場合は,神経ブロックなどを検討する[B]。
7.がん疼痛のマネジメント:ESMO の臨床的推奨(Ann Oncol, 2007)
  • European Society for Medical Oncology Guidelines(ESMO)working group が作成したがん疼痛に関する推奨報告である。
  • 頻 度:進行がん患者の80%以上で,主に腫瘍の直接浸潤による痛みを生じる。痛みはがんの進行度の指標にもなるので重要である。がん患者の痛みの20%はがん治療に起因するものである。
  • 増量スケジュール:疼痛時に,1 日量の10%までの量をレスキュー薬として使用する。1 日4 回以上必要なら,定時徐放性製剤の増量を検討する。
  • 副作用の対処:鎮痛補助薬,神経ブロック,放射線治療を併用してオピオイドを減量し,オピオイドスイッチング・投与経路の変更や,制吐薬などの対症療法を行う。オピオイド過量による副作用症状が重症化した場合はナロキソンを使用する。
  • 放射線治療:特に骨転移痛・神経圧迫・脳転移による痛みに有効である。
  • 外科治療:特に骨折時や管腔臓器の閉塞時の痛みに有効である。
  • 難治性の痛みの治療:神経障害性疼痛はオピオイドの効果が不十分な場合が多く,鎮痛補助薬の併用が必要である。オピオイド・非オピオイド鎮痛薬に,抗うつ薬,抗精神病薬・抗けいれん薬を組み合わせる。神経圧迫にはコルチコステロイドを,骨転移痛にはビスホスホネートを使用する。痛みが緩和されない患者には,ケタミンや神経ブロックなどが有効な時があり,終末期には鎮静が必要な場合がある。
8.肺がんの緩和ケア:エビデンスに基づいたACCPの臨床ガイドライン(Chest, 2007)
  • American College of Chest Physicians(ACCP)作成の文献レビューによる推奨で,肺がん患者を対象としている(エビデンスの質により,強い推奨[1A〜1C],弱い推奨[2A〜2C]の6 段階に分類されている)。
  • 軽度から中等度の痛みには,禁忌でなければアセトアミノフェンまたはNSAIDs を開始し,重度な場合・増悪する場合はオピオイドを開始する[1B]。鎮痛薬のみで鎮痛困難な場合,三環系抗うつ薬・抗けいれん薬などの鎮痛補助薬の併用で鎮痛効果が上がる[1C]。
  • 簡便で安価なので経口投与を優先するが,経口困難な場合は坐剤・貼付剤を使用 する。筋肉内投与は痛みがあり吸収が不安定なので推奨されない[1C]。
  • 便秘は一般的な副作用であり,予測して予防的に下剤を使用し,定期的に評価する[1B]。
  • 可能な限り運動を促し,寝たきりを避ける[1B]。
  • 筋緊張に関連する痛みの場合は,皮膚刺激(温寒刺激),鍼灸,心理的サポートの併用が推奨されるが,これらは薬物療法に取って代わるものではない[1C]。
  • 疼痛緩和目的で放射線治療や化学療法を行うことを検討する[1B]。標準的な薬物療法で鎮痛困難な場合,麻酔科や緩和ケアの専門家に相談する[1C]。
  • 骨転移痛に対しては,鎮痛目的の放射線治療を行い,ビスホスホネートを併用する[1A]。鎮痛困難な場合は,放射線医薬品(ストロンチウム)の使用を検討する[1B]。固定術の適応は,長管骨や荷重がかかる骨の転移で,4 週以上の生存が見込まれ全身状態が良好な場合である[1C]。
  • 脊髄圧迫の確定診断には,単純X 線,骨シンチグラフィ,CT ではなく全脊髄のT1 強調MRI を撮ることが推奨される[1C]。

(小原弘之,鈴木正寛,田口奈津子,田中俊行,田中桂子)

 ガイドラインプール・リスト

1) National Comprehensive Cancer Network(Version 1. 2012):NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology, Adult cancer pain.(NCCN ガイドライン,2012)
http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.asp

2) Use of opioid analgesics in the treatment of cancer pain:evidence-based recommendations from the EAPC. Lancet Oncol 2012;13:e58-68(EAPC ガイドライン,2012)

3) Management of cancer pain:ESMO Clinical Practice Guidelines. Ann Oncol 2012;23(Suppl 7):vii139-54(ESMO ガイドライン,2012)

4) Strategies to manage the adverse effects of oral morphine:An evidence-based report. J Clin Oncol 2001;19:2542-54(EAPC ガイドライン,2001a)

5) Episodic(breakthrough)pain:consensus conference of an expert working group of the European Association for Palliative Care. Cancer 2002;94:832-9(EAPC ガイドライン,2002)

6) Morphine and alternative opioids in cancer pain;the EAPC recommendations. Br J Cancer 2001;84:587-93(EAPC ガイドライン,2001b)

7) Management of cancer pain:ESMO clinical recommendations. Ann Oncol 2007;18(Suppl 2):ii92-4(ESMO ガイドライン,2007)

8) Palliative care in lung cancer:ACCP evidence-based clinical practice guidelines(2nd edition). Chest 2007;132(Suppl 3):S368-403(ACCP ガイドライン,2007)

9) Acute pain management:Scientific evidence. Australian and New Zealand College of Anaesthetists and Faculty of Pain Medicine, 2nd ed, 2005
http://fpm.anzca.edu.au/Documents/ManagingAcutePain.pdf

10) SIAARTI recommendations on the assessment and treatment of chronic cancer pain. Minerva Anestesiol 2003;69:697-729

11) Practice guideline:Summary version of the Standards, Options and Recommendations for the use of analgesia for the treatment of nociceptive pain in adults with cancer(update 2002). Br J Cancer 2003;89(Suppl 1):S67-72

12) Evidence-based interventions to improve the palliative care of pain, dyspnea, and depression at the end of life:a clinical practice guideline from the American College of Physicians. Ann Intern Med 2008;148:141-6

13) Pain measurement tools and methods in clinical research in palliative care: recommendations of an Expert Working Group of the European Association of Palliative Care. J Pain Symptom Manage 2002;23:239-55

14) Evidence-based standards for cancer pain management. J Clin Oncol 2008; 26:3879-85